あらすじ
「TIで「自分を変える」先生とたくさん出会いました。学びは楽しいですね!」木村泰子先生推薦!
ティーチャーズ・イニシアティブは、学校とは異なる分野でキャリアを積んだメンバーが教師という仕事の持つ可能性に惚れ込み、先生発で学校を、社会を、未来を変えていく力を生みだそうと願い発足、管理職も含め教員全般を対象にした研修を提供しています。本書は8名の研修参加者へのインタビューを中心に、いかに自分と向き合いそれを受け入れていったか、教師を目指した頃の思いとの再会、自分が変わり教室が変わった経験等が、年齢も校種も異なる教師達により真摯に語られています。少しだけ自分を変えてみたい先生にお勧めします。
【目次】
はじめに
第一章 21 世紀ティーチャーズプログラムとは
スキルも知識も扱わない 講義も一切ない、体験的な学び
第二章 TIで何が起こったか——8人の先生の物語
1)どんな“自分”を
2)カリスマ教師症候群を超えて
3)教師の矜持
4)社会とつながり学びを起こす
5)職員室に関わる
6)人生を見せる
7)公教育の価値
8)リーダーの在り方
第三章 研究的視点から
特別寄稿:法政大学キャリアデザイン学部教授/ティーチャーズ・イニシアティブ理事 児美川孝一郎
教育界の閉塞を打ち破る——ティーチャーズ・イニシアティブという「野望」
あとがき
【著者】
一般社団法人ティーチャーズ・イニシアティブ
「先生こそが真に未来をつくることができる」を掲げ、5人の発起人と100名以上の市民の支援によって、2015年に設立された非営利法人。「21世紀ティーチャーズプログラム」には過去5年間で200名を超える先生が参加し、教育委員会の公式研修としても採用されるなど、広がりを見せている。リーダーシップ開発やICT活用の研修も行い、先生たちの学びのコミュニティが形成されている。
代表理事・宮地 勘司
https://teachers-i.org/
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Posted by ブクログ
知人が寄稿していたことから手に取った一冊。
「先生」を「この先を生む人」とは、自分もそう捉えたいと思っていた。
迷宮に入り込んだように閉塞感のある教育改革の強制の中で、自分の周りには「自分の頑張りがまだまだ足りないのだ」と考える教師や、逆に「自分はこれまでの方法でうまくやれてきた。お上の考える教育は現場が見えていないし、周りは使えない教師ばかりだ」と考えて価値観が狭く偏ってしまった教師がかなりいる。
優れた教育実践は、一人一人の子どもが自らの過去を振り返り自己認識を深め、この先の困難を見据えながら具体的な未来を描く中で、今ある課題に向き合う力をつけることだと私は思っている。Teachers initiativeとは教師による率先・発案を意味し、前例主義に陥らず未来を指向するものだと解したが、教師のねらいばかりが先行するのではなく、子どもの一瞬一瞬の気持ちを掴み続けることでこそ実現してほしい。
そのことからも、今求められる「先生」とは、「先に生きてきた」ということから教えを後進に伝えるにとどまらず、「子どもの先を歩かずに、この先を生きる子どもの背中を支える」人であってほしいと考えている。