あらすじ
「死にたくないのに、どうしても食べられないの」
私がそう言ったとき、「大丈夫」「死なないよ」そう言ってくれると思っていたけれど、母はただ黙って泣いていた。
摂食障害、強迫性障害、精神科病院への強制入院、退院後の揺り戻し…。
自分のなかの「神様」の声によって凄絶な日々を過ごした高校生の娘。
それは同時に、母と父と姉にとっての地獄の日々でもあった。
娘の病状に翻弄され、一度はバラバラになりかけた家族の絶望と再生を描く、渾身のコミックエッセイ。
大きな反響を呼んだデビュー作『高校生のわたしが精神科病院に入り自分のなかの神様とさよならするまで』を、家族の視点から描き直す、魂の187ページ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
まさに摂食障害の娘をもつ母として、この本の中のお母さんの気持ちがひしひしと胸に迫り、涙が止まらない。
本人も大変だけど、家族も大変。
お母さんがもつおさんを入院させるまでの葛藤は、もうヒリヒリするくらい。
これを家族自身が書くのではなく、当事者であるもつおさんが家族の大変さに気づいて書いた、ということがすごいな、と思った。自分のせいで家族を巻き込んでしまったっていう思いがどうしたってあったでしょうに、聞くのも書くのもしんどかっただろうな、と思う。
でも、お母さんが言っているように、「あの時の経験は家族にとって必要なことだった」のだと思う。
私にとっても多分、必要なことなんだと思って、なんとか乗り越えていきたい。
私が「大丈夫、必ず良くなるよ!」の希望を持って、娘に寄り添っていきたい。
Posted by ブクログ
前作の家族視点
お父さんが開業医ということで最初から理系を選択するのが当たり前ということだったが姉は医者になるのを求められていなかったのかな。
家族の期待って難しいよねー。子供に期待しないでおこうとは思っても最低限ここぐらいはという思いが家庭によって違うんだろう
Posted by ブクログ
摂食障害という本人にも家族にもとても辛い状況を漫画で表すことで気持ちが和らぎます。実際には深刻で重い家庭の空気だったかと思います。
私は摂食障害の娘を持つ父親です。苦しむ娘を見て辛い毎日ですがこの漫画を見ると少しだけ緊張感を緩めてくれます。
Posted by ブクログ
『高校生のわたしが精神科病院に入り自分のなかの神様とさよならするまで』と併せて読んだ。
こちらはもつおさんのご家族の当時の状況について、お母様から聞きながら書かれたもの。
前作である『高校生のわたしが〜』を読んでいなくても、もつおさんに起きていた事の流れが分かるようになっている。
お母様がよく病気に向き合って、葛藤していた事が分かったのがいちばんよかった。
前作でも気にかけてくれていたのはお母様だったと分かっていたけど、思っていた以上に調べたり本を読んだりしていたのだなと分かった。
もつおさんが入院する時の、「私たち家族は今まで一度もあんな声かけをしてこなかった」「ごめん ごめんね…」というのが、印象に残った。
また、前作では「なんで邪魔するの」ともつおさんに思われていた行為が、お姉様としては心配した結果だったというのも知れてよかった。
お姉様自身も身体的にも精神的にもつらい中、もつおさんの為にという気持ちと、これ以上両親に迷惑をかけられない気持ちと、妹ばかりと思ってしまう気持ちとをより具体的に知る事が出来てよかった。
大学で摂食障害について学べた事も大きかったと思う。お姉様自身のその後も知る事が出来てよかった。
(あとがきにて触れられているので書くか迷ったが、あえて感想として書くとすると、)逆に父親は読もうともせず、学ぼうともしない、怒鳴りつけたり他人の目を気にしているばかりで、やっぱり嫌だった。
お姉様にとっても、もつおさんにとっても、厳しい家庭環境の中、ふたりとも頑張ったんだな、と思った。
何をもって「再び出発」とか「丸くおさまった」とするかは、その家族によると思うけど、私もまた別の心の病を持つものとして、いつか自分の人生を歩めたらいいなと思う。
占い師さんの件は、本当の「神様」みたいな体験でしたね!
私も占い師さんの言葉を覚えておきたいなと思いました。
Posted by ブクログ
作者もつおさんの、高校時代に摂食障害と強迫性障害で入院した経験を描いたコミックエッセイ。
2冊目みたいですけど、一冊目は未読。
タイトルで惹きつけられて読みました。
摂食障害や強迫性障害を知るきっかけには良い本だと思います。
自分自身あまり詳しくは知らない病気なので勉強になりました。
描く方はしんどいでしょうが、このような体験を漫画で読むことができるのはありがたい。
個人的に気になったこととしては、作者のお母さんが医療機関の方から、「この病気は治りません!」とか言われてショックを受けているシーン。
本当にそんな言い方したのかと、同じ医療職としては信じられない気持ちもありますが、少なくともお母さんにキツイことを言っていたのでしょうから、自分自身も気をつけないといけないと感じました。