あらすじ
戦前昭和の新入社員のイメージは「仕事をやる気がないくせに遊びには熱心で、カネばかり欲しがる」だった!
経費で愛人のお手当てを落とし、エロとカオスの宴会芸に血道をあげ、「上役に模したトルソ」の破壊でストレスを解消する……。
トンデモ社長にズボラ社員をはじめ、今も昔もサラリーマン世界はツッコミたくなる事ばかり。
愛人はいつから大衆化したのか?忘年会、新年会はいつ生まれた?こころの病はいつからあったのか?
由来も歴史も答えられない。けれど、身近にあることばかり。
会社文化を探っていくと日本人の生態・企業観が見えてくる!
■交換愛人トリックを実践していた社長に愛人を秘書にする議員が続出していた
■入社式はなかった。定着したのは昭和30年代
■「お疲れさま」はチャラい流行語だった。
■違法行為と隠蔽工作が横行していた1950~60年代
※本書は2017年6月に春秋社より刊行された『会社苦いかしょっぱいか』を改題の上、加筆修正したものです。
【目次】
新書版まえがき
第1章 昭和の社長よ、いまいずこ
第2章 この愛、経費で落とせますか?
第3章 秘密の秘書ちゃん
第4章 夢か悪夢かマイホーム 戦前編
第5章 夢か悪夢かマイホーム 戦後編
第6章 趣味だ! 休みだ! ギャンブルだ!
第7章 いまどきの新入社員列伝
第8章 酷電痛勤地獄
第9章 宴会LOVERS
第10章 出張は続くよどこまでも
第11章 こころの病とサラリーマン
第12章 知られざるビジネスマナーの歴史
第13章 産業スパイ大作戦
あとがき
参考文献一覧
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
統計的数値だけでなく、当時の新聞や大衆紙なども資料として活用し当時の世相を紐解いている
大衆紙などは単なる一消費コンテンツだと思っていたが取り上げらている題材や単語など文化を知る手がかりが散りばめらていることに気付かされる
出張の話は印象深かった
新幹線ができて便利になったかと思ったのに無理な日帰り出張が増えたというエビソードは、携帯が普及したおかげでコミュニケーションコストが下がったが休日も仕事に束縛されるようになったという話やSNSが普及したおかげで逆にストレスが増えたといった現代の話にも通じるものがある
効率化によって浮いた時間を何に使えるのか、ツールに振り回されない事が肝要だ
ご苦労さまとお疲れ様という言葉の使い分けの由来は、言葉の進化を垣間見たような気がして興味深かった
確かに時代劇だと目上は大義であったってよく言っている気がする
Posted by ブクログ
自分ではまず読まないであろう過去の資料を丁寧に読み解いていくことによって、昔もそれほど今と変わりはないということがよく分かる。週休二日の定着が期せずしての展開で、まるでコロナ禍でテレワークが進んだのと同じよう。明治大正の文豪で「神経衰弱」って説明を目にしたことがある気がするけれど(夏目漱石とか)、今で言うと「うつ病」とか「心の病」ということなのね。そう考えるとトランプの「神経衰弱」に引っ張られてよく分からないなと思っていたのだけれど、少し親近感を感じられるようになった。
Posted by ブクログ
戦前及び戦後(明治、大正、昭和)のサラリーマン事情が書かれており面白かった。
・今の若い社員は、、的なのはずっと昔から繰り返されていた。
・昭和の方が不倫に甘い世の中だった。
・ビジネスマナーは意外と普遍じゃない。
・戦前の方が格差は大きく社長の給料は億単位など。