あらすじ
無実にもかかわらず「自白」して無期懲役となった元弁護士と事件関係者との「往復書簡」は、「毒入りチョコレート」殺人をめぐる推理合戦となり、やがて「真相」のぶつかり合いが思わぬ方向へ物語を導いていく。書き下ろし長編。
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Posted by ブクログ
このミステリーは凄かったです。推理小説もたまに読むと楽しいですね。色々な視点で物事を俯瞰してみるのが大事だと思いました。
色々な展開があり推理があり、飽きずに読み進めることができました。
他の推理小説も読もうと思います。
Posted by ブクログ
最初登場人物が多すぎて頭がごちゃごちゃに。最初の登場人物一覧とにらめっとしながら読んだ。
お互い愛ゆえに許せなかったという話。
愛に年齢は関係ないね。
Posted by ブクログ
なかなか深いお話だった。
橙子と治重の文書のやり取りから、40年前の殺人事件の本当の真実が明らかになる…
また治重の橙子への想いは何十年経っても変わらないのかと読み進みていたがしっかりどんでん返しが待っていた!
この作者の本は本当に面白い!
シンプルの中に想像つかないトリック…
最高です♪
Posted by ブクログ
昭和41年に旧家で起こった毒殺事件。長女の婿養子が犯人として逮捕され無期懲役囚となる。彼は生き残った次女と往復書簡のなかで「自分は実は無実であり、真犯人は別にいる」と驚くべき真実を告げ収監中にたどり着いた推理を披露する。
前半はよかったんですが、後半のどんでん返しはちょっと印象薄目。あっと驚く真相ということでもなく・・・まああのノリでずっと書簡のやりとり続いたらさすがに相当だれるだろうしなあ。でも実地とかじゃなくてこういう往復書簡だったりディスカッションでもっと推理していくスタイルが単に好みなので星4。手紙はちょっと内容的に冗長だったりもしましたがまあこれはこれで。
Posted by ブクログ
二人の手紙のやり取りで展開される過去の事件の解明。相手に語りかける文体だからこそ迫りくる表現があって、隠された送り主の感情にも気がつくことなくコロッと騙されました。
壮大な仕掛けと数十年越しの復讐劇。
手紙という昔ながらの伝達手段でかわされるミステリーに引き込まれます。
Posted by ブクログ
元弁護士の犯罪者と義妹の手紙のやりとりを主体としたミステリ。
導入部は過去の毒殺事件。
そのあとは手紙による推理合戦が続く。真相は?
手紙の必然性やトリックなどはロジカルで納得がいく。推理が繰り返される様も伏線が次々と回収されていくので小気味良い。
オチは読めなかった。
Posted by ブクログ
昭和41年の夏、地方の有力者の家庭で起こった毒殺事件。当主の治重が自供し、無期懲役刑が確定。事件は片がついたかに思えたが、40年後、保釈された治重は、ある関係者に手紙を出す。「僕は無実です。本当はあなたもそれをご存知のはずです。」
本書の中心は、事件の真実を推理する書簡のやり取り。互いの手紙の文面を引用して、相手の推理を否定し、あるいは肯定して、何とか真実を探り当てようとするやり取りである。そして、そのやり取りはタイトルにある通り、「欺瞞」でしかない。物語は二転三転し、最後の最後でまたひっくり返される。お終いまで気の抜けない、秀逸なミステリだ。
深木章子さんの作品は初めて読んだ。元弁護士にして、退職後60歳から文筆活動に入ったという。本書で見られる司法制度の描写が真に迫っているのはそうした背景があるからだろう。硬質で論理的。個人的に好きな文体だ。他の作品も読んでみよう。
Posted by ブクログ
42年前の毒入りチョコレート事件の真相をめぐり往復書簡で明らかにしていく物語。元弁護士が推理し、事件関係者が否定するを繰り返しながら、お互いの心の内が露わになるさまは無駄がありません。
そして最終的に真犯人が明らかになるかと思いきや、もう一捻り加えられており脱帽。濃厚で完成度の高い作品です。
Posted by ブクログ
殺人事件の犯人として自首した男。無期懲役となり40年後に仮釈放。そして事件の関係者であり恋人でもあった女に「私は犯人では無い」と書面を送り、そこから二人の間で推理合戦の往復書簡が交わされる。最終的に二人が導いた結論は?というストーリー。
相変わらず無駄な描写の無い研ぎ澄まされた大人のミステリであり、文章が重厚であるが故に尚更生きるトリック。お見事です。まんまと引っ掛かった。
この著者といい、辻真先さんといい、ホント、作家に定年は無いなあ。発想が若いね~(^-^)。
Posted by ブクログ
長い年月をかけた 2人の想いが噛み合わないというか すれ違うというか
そもそも 始まりからズレていたのか?
2人の気持ちに 今一つ自分の気持ちが入っていかないまま 読み進め 尻すぼみに感じてしまった
お話自体の雰囲気は好きだったんだけどなぁ
Posted by ブクログ
冤罪で服役し、仮出所したばかりの元弁護士と、その愛人との手紙のやりとりで推理されていく真犯人とその犯行動機。実はその手紙自体が「欺瞞」に満ちている。
刑務所での41年間で練りに練ったやり方で、無事復讐はやり遂げられた。
手紙書き方が回りくどく、途中で飽がくることもあったが、全体的にはまあまあ面白かった。
Posted by ブクログ
40年以上の歳月を経て殺人事件の真相が明かされる…
という展開なのだが、悩んでしまった。
いや、どんな推理小説にも細かい穴はあるものだが、この小説は往復書簡を使い非常に巧妙に展開を変える、変えるのだが。
書簡をやり取りしているふたりが書き記す内容はどこまで「欺瞞」でありどこからが「真実」なのか?
正直、昭和41年の事件の真相を(書けないが)「そこ」に落ち着けてしまっていることには疑問しかない。最早検証できない事実を論理で詰めて潰していく書簡のやり取りはどきどきさせられるが、「当事者同士」がやり取りした書簡にそこまで信頼を置けるのか?実際の真相は本当にそこにあったのか?なんだか…全てが机上の論理ではないか?と頭の中をクエスチョンマークだらけにしている私がいる。
結局は40年以上前の事件の真相がこの物語の主眼ではないのかもしれない。妄執にも似た何か、最終的に起こる事件のために設定された装置に過ぎないというのなら納得できる。逆に言えば、そうでなければ到底腑に落ちない展開である。
論理で潰せるのかもしれず、私は怠慢な読者との誹りを受けても仕方がないが、そもそも常に「信頼できない語り手」しかいないやり取りでどう真相に辿り着けるのか。結局それは登場人物だけの「真実」ではないか。
最後だけが論理的なようでなんだか牽強付会というか…このもやもやを狙っていると思いたいところなのだが。
Posted by ブクログ
昭和41年に起きた名家での毒殺事件。殺人犯として服役していた男が仮釈放となって、事件関係者と手紙をやりとりしつつ事件の真相に迫ってゆくが、果たしてその結末は‥
往復書簡で二転三転する推理が読みごたえがあり、さらにそれを超えていく真相がなかなかすごい。話の内容はドロドロでやるせないものだが、キャラが濃くないせいかあまりそれは感じられず、ミステリとしての構成が光る話。
Posted by ブクログ
42年前に起こった楡家の毒殺殺人事件で逮捕された男と生き残った女の往復書簡。そこで暴かれる事件の真相とは…
治重の澄子に対する愛憎劇。そもそも逮捕される前に澄子と話していたら、2人にとっても悪くはない結果になったのにな、っていうのは穿った見方かな…。最後の幕引きもなんだかなぁという感じ。
往復書簡のやりとりがすごい。
Posted by ブクログ
いつもながら、マニアックだなぁと感じさせてくれる。すれっからしのミステリマニアには頼もしい存在。弁護士を引退されてからのハイペースで質の高い作品を量産されるお仕事ぶりにはほんと脱帽。
Posted by ブクログ
昭和に起きた、ある一家の毒殺事件。逮捕された元弁護士が、40年以上の歳月を経て、ある女性のところに手紙が届きます。2人の手紙のやり取りから、事件の隠された真相が浮き彫りになっていきます。
序盤は、事件の大まかな状況が書かれていて、その後、手紙のやり取りが始まります。
様々な説が飛び交い、最後の結論に至ったときは、ちょっとした驚きがありました。
やり取りが終わって、事件解決と思いきや、え?と思わせる新たな事件が発生するので、二転三転する展開に目が離せませんでした。
全体の半分以上が手紙のやり取りであり、文章からは、長い年月を経ての重みが感じ取られました。
40年以上経っているので、外見は年老いているかと思いますが、中身はあの当時のままの雰囲気が漂っていて、強い執念を感じました。
リズムよく二転三転するのですが、最後の方はあまり盛り上がり感がなかったかなと感じました。尻すぼみ感があり、もう一捻り欲しかったなと個人的に思いました。