【感想・ネタバレ】善悪は実在するか アフォーダンスの倫理学のレビュー

河野哲也

環境の中の存在という視点をもって、近代以降の哲学、心理学で主流をなしてきた認識論と存在論に再考を促すほどの大きなインパクトを与えたアフォーダンス理論。その革新性は、価値や意味を主観の中の観念のようなものから、環境に実在するものとして捉えなおすという、大きな転回を倫理学に引き起こすものでもあった。「善悪は主観的なもの」という現代の常識を乗り越え、道徳の根源を見つめなおす試みが、いまここに始まる！ （講談社選書メチエ）

[ブクログ · ★★★★★]

ギブソンのアフォーダンス理論と道徳、自然主義など。
価値、意味、実存などを「自然」に捉えると道徳はどこに存在するのか？というあたりが読み応えがあっておもしろい。

[ブクログ · ★★★☆☆]

過去に､人間に害を加えた動物や昆虫を裁判似かけるという､動物裁判という制度があったという。
著者は疑問に思う。動物を裁判にかけることが、無意味ならなぜ、人を裁判にかけることも無意味ではないのか、と。