あらすじ
なんだこの文章!
これはほんとうに人間の生身の男の人が書いた文章なのか?
家や森や草や風が書いたんじゃないのか?
すごい人だ。
―――吉本ばなな
『こといづ』とは「コトが出づる」という意味の造語です。
丹波篠山の小さな村で暮らす日々の驚きと発見、高木夫妻の家にたびたび遊びにくる80代のハマちゃん・昔気質の大工職人スエさんをはじめとする愛すべき村人たちとの交流、映画音楽ができるまでの苦悩と喜び、ソロモン諸島・エチオピアをはじめとする旅の話、自然と人間の限りあるいのちについて……。ピアノを弾くように、歌をうたうように綴られる言葉を、2012年から現在まで続く雑誌ソトコトの連載から収録。高木正勝による初の著書であり、この世界のすべてがいとおしくなるエッセイ集です。
この本にもよく出てくる86歳のハマちゃんがよく言います。「あるんだから」。そう、あるんだから。ついつい、あれがあったらなあ、ここがこういう場所だったらなあと、ない物ねだりをしてしまいますが、目の前にいっぱいある、あふれるようにあるものごとにこそ気づいて、一緒に楽しく心安く暮らしていけるだけで、だいたいいつも幸せでいられるのだなと知りました。
(本書「はじめに」より)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
麗らかな言葉が並んでいて文章が美しい。
読み終わるとやさしくなっていて、心がぽかぽかしてます。人と自然の巡りを感じました。
最後の「めぐみ春」という詩と音楽、とってもお気に入りです。あ〜春が巡ってきたなぁ〜とソワソワ、ワクワクします。
Posted by ブクログ
高木さんの音楽も大好きなので、読んでいると音が聴こえてくるような文章でした。
こんなにも豊かに日常を見つめ感じていることがうらやましくなります。
大好きすぎて、人へのプレゼントにもしました。
Posted by ブクログ
高原のカフェで手に取り、高原のホテルで吸い込むように読み進めた本。
山村へ移住した高木正勝の山の自然の移り変わりや村の人々との交流が優しい穏やかな筆致で綴られている。
音楽を作るときの話や、創作についての思いや、命への眼差しに触れることができ、感謝。
Posted by ブクログ
15年ぐらい前にtai rei tei rioというアルバムを初めて聴いてからその存在は知り、いわゆる環境音楽に色を付けた用な音楽を奏でる人で根源的な音を奏でるなと言う印象があった。
その高木正勝さんが書いた本ということもあり、本も同じく流れるように美しい文章となっている。普通、自然をここまで素直に文章に出来る事は難しいが、音楽と一緒で高木正勝さんならではのタッチで最後まで走り抜けている。
Posted by ブクログ
高木正勝さんの音楽が大好きなので読んでみた
映画音楽を作成している時の日記とか読めて良かったなぁ
とっても線が細く文化的で大人しい方かと勝手に想像していたけれど、実際はなかなかのバイタリティメン!笑
いつかコンサート行きたいなぁ
Posted by ブクログ
“日なたではなく日陰でひっそりと耐えなければいけないような時に、何か誰かの人生と繋がれた感触がある。「ああ、あの時あの人は、もしかしたらこんな気持ちだったのかもしれない」と、ほかの人のことが少しわかったような心になる。”(p.133)