【感想・ネタバレ】コミュニティ難民のススメ ―表現と仕事のハザマにあること―のレビュー

あらすじ

彷徨って生きる、これからの人生の歩き方!

「住み開き」から、「コミュニティ難民」へ。

プライベートな空間である家に、パブリックな機能を持たせる住まい方(自分の蔵書と書斎を、週末だけ図書館として地域の人に解放したり)を「住み開き」という言葉で切り取った、アサダワタル氏が、今回は「表現(≒プライベート)」と「仕事(≒パブリック)」の間を彷徨って生きる、6人の人生の歩き方をコンパイル。
自問自答しながらも、枠組みを飛び越え、楽しく暮らす彼ら(と自分自身)の生き方を、アサダ氏は「コミュニティ難民」と名付け、現代の新たな道標として描き出した意欲作です。
内田樹氏や梅原猛氏らとの共著でも知られる、宗教学者・僧侶の釈徹宗氏との対談も収録!

こみゅにてぃ- なんみん【コミュニティ難民】 名
個人の生産活動において、特定の分野のコミュニティに重点的に属さず、同時に表現手段も拡散させることで、新たな社会との実践的な関わりを生み出す人々。
たとえば、こんなコミュニティ難民……。
例1 銀行員であり、地域ファシリテーターであり、クリエイターが集まる大学の客員教授であり……。
例2 一級建築士であり、ラジオ番組の企画・制作者であり、雑誌編集委員であり……。
例3 DJであり、イベントプロデューサーであり、旅館当主であり……。
例4 職業訓練センターの職員であり、アートイベントの主催者であり、コミュニティサロン主宰であり……。
例5 ミュージシャンであり、NPO法人理事であり、ホームヘルパー2級であり……、現役大学院生であり……。

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Posted by ブクログ

おもしろかった。
今の組織がいやだとか、別のことをしたい、とか思っていたけど、特に銀行員の藤原明さんの事例を読んで目からウロコ。
あわせて最近どこかで、公務員だというだけで、まずまちの人は話を聞いてくれる、というのを読んだのだ。
この、せっかくの立ち位置を活かさない手はないんじゃないか?と思う。単純だけど。

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2016年12月26日

Posted by ブクログ

コミュニティ難民、と名前をつけてくれたことは嬉しかった。

でも筆者は、
コミュニティ難民と言いながら、
家庭を築けているではないかと思う。

きちんと帰属意識をもって、
支えてもらっているではないかと思う。

女のコミュニティ難民は、
コミュニティにも属せず、
家庭も築けない。
支えてくれる人もいない。

もっと難民ですけど、と思う。

あなたには帰る場所があるよ。
奥さんと子どもがいるではないか、
自分の命がつながっているではないか、
何がどこが難民なのか?

男性はいいですよね。
自らお腹を痛めなくても、
活動を止めなくても、
誰かが命をつないでくれる。

あなたは孤独になんかならないのだ。
子どもを産んで育ててくれてる奥さんのおかげで、孤独になんかならないのだ。

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2016年10月29日

Posted by ブクログ

コミュニティ難民:自分の価値観に則った生き方をしている人。公私融合で働くことで、パラレルになりがちな仕事と私事の境界をなくすことができる。一方、専門性が広く公の肩書がない為所属コミュニティが曖昧という難民性を持つ。

コミュニティ難民の方々の事例も面白く読めた。特に小倉ヒラクさんはすごいね。彼の考え方好き。

幅広く活動されてる方は多いものの、皆さん軸とする専門性は高く、器用貧乏という感じではなかった。みんながこうなったら社会は崩壊すると思うけど(笑)、僕はこういう働き方好きだなーとおもいます。

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2015年01月22日

Posted by ブクログ

著者が自分生き方や考え方を、
「新しい生き方」のモデルように示しているが、
おそらくまだまだ少数派だし、著者の能力や気質あってのものが多いだろう。
著者のようなスキルがない人にとって、
どの部分を参考にすればよいのかがわかりづらい。
所属せず、軸を定めずに生きるには、
努力やセンス、行動力、コミュニケーション力など、
それ以上の何かが求められるはずだが、
その部分への踏み込みはもう少し欲しかったかな。
ただ、本のデザインはユニークだし、
横断的に生きるという発想自体も興味深いとは思う。

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2015年11月03日

Posted by ブクログ

【帰属意識と自分の”居場所”】

”居場所”とは、どこにあるのか探すものではなく、「今自分が居る場所」こそが居場所なのだ。
コミュニティの重要性はもちろんだが、このコミュニティに自らを縛り付け動けなくなるのは本末転倒。

『コミュニティは、結合することが容易であったのと同じく、分解することも容易でなければならない』

帰属意識の自由度と同時に、肩書き、年齢や学年(笑)、職業などタグを付けて歩かないと自分を説明出来ない社会でなく、属性で人を判断する・されることからも自由でいられると生きやすい。



【”大目に見る”】

かつての地縁や血縁で結ばれたムラ的なコミュニティから都市型コミュニティへと文脈が変化していく中で、互いに迷惑をかけたりかけられたりすることが大前提だったムラ社会のシステムが都市では通用しなくなる。

「許す/許さない」「白か黒」「善か悪」の二元論で性急に答えを求められる風潮。こうでなければならない、という圧力に自らがんじがらめになる中で、そのどちらとも言えないハザマや遊びを赦すグラデーションがある社会、”他者を赦す寛容さ”が何より大切な事に思える。

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2015年01月15日

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