あらすじ
「出る杭は打たれる」と言われる公務員の世界にありながら、業務分野の地味・派手を問わず、自らの信念を貫き、役所の中で成果を上げてきた公務員たちがいる。
苦難にぶつかりながらも、「常識・前例・慣習」を乗り越えた10人の実践を通じて、公務員が行動・挑戦し、組織の中でやりたいことを実現するヒントを伝える。
「役所は『出る杭は打たれる』世界。頑張るほど、悪目立ちしてしまう。そう思うと、勇気が出ない」
「地域の役に立ちたいと思って公務員になったのに、やりたい仕事ができず、達成感を感じられない」
「実績をつくろうとしても、チャンスをもらえない。自己保身ばかりの上司をどう動かせばいいいか…」
「最近、くすぶっている自分がいる。このままではまずい、とわかってはいるけど…」
――そんな想い・悩みを抱える、すべての公務員に「一歩踏み出す勇気」を贈る一冊!
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何かを変えたい公務員必読
想いを持って改善に取り組んだ公務員の事例集。民間からすると、「えっ、こんなレベルで本になるの!?」という程度の内容。しかし、行政で働いたことのある人なら、この程度のことをするのにどれだけ大変かがわかると思う。本の中に、行政は民間から20年遅れているというような表記があったと思うが、部署によっては40年ぐらい遅れているところもあると感じる。そういう硬直的なところで、時間を動かそうというのは至難の業。
そして、本書のように個人を特出しで活躍を書くのも異例。だいたい1人で進めたような案件でも成果に対して表彰する場合は、係や課単位にされ、メディアにコメントするのは長がつく人ということが多い。
役所時代に、改善をしていた自分も言われたような言葉、「あなたは出来ても、後任ができなかったらどうするの?」、「法令が変わっていないのに、やり方を変えるのはこれまでが間違っていたということになるから変えられない」、「自分ばかり目立とうとして楽しい?」、「主任にもなっていない奴が口を出すな」、「私たち行政に問題なんて無い!」などなど。役所あるあるだということがわかり少し気が楽になった。
いずれにしても、役所を変えるには意志と行動、役所の仕組みを理解し対話する、そして、仲間づくりという膨大なエネルギーが必要と再認識。
そりゃあ、やる気のある人が離職するわけだ。民間の人にはお勧めしませんが、役所を動かしたい行政マンには是非とも読んでもらいたい本です。