あらすじ
『散歩の達人』の人気連載が単行本化!古今東西の「散歩本」の舞台を無類の散歩好き・東京好きの著者が歩いた、45冊のイラスト付き町案内。 四年ちかくにわたる月一度の散歩の記録である。ふだんはひとり散歩だが、月一度にはお伴がいた。いや、こちらがお伴で、ご主人さまについて歩いた。幸田露伴、その娘の文、永井荷風、井伏鱒二、内田百間……。なんとスゴイ人たちではないか。三遊亭圓生、小沢昭一、安藤鶴夫、滝田ゆう、江國滋……。甘いも酸いもかみわけたアッパレな大人たちだ。種村季弘、坂崎重盛、川本三郎、平松洋子……。三年会わなくても、会ったとたんにいつもどおりになる。その人とともに、その人たちの歩いたところが散歩になった。(中略)お伴をしたおかげで、まるきり気づかなった世界と生きた関係ができたような気がする。(「あとがき」より)
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Posted by ブクログ
【目次】
Ⅰ 水の都 東京
幸田 文『ふるさと隅田川』
鈴木理生『江戸の橋』
竹内正浩『カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩』
村松 昭『多摩川散策絵図』
陣内秀信+法政大学陣内研究室『水の都市 江戸・東京』
幸田露伴「水の東京」『一国の首都』
Ⅱ 江戸の面影
江戸いろは会『「江戸」を歩く』
池波正太郎『江戸切絵図散歩』
三遊亭圓生『江戸散歩 上・下』➖向島
江國 滋『絵本・落語風土記』
今井金吾『新装版 今昔中山道独案内』
長谷川渓石 画/進士慶幹・花咲一男 注解『江戸東京実見画録』➖一石橋
安藤鶴夫『わが落語鑑賞』➖三光新道
芳賀ひらく『デジタル鳥瞰 江戸の崖 東京の崖』➖愛宕山
岩本素白『東海道品川宿―岩本素白随筆集』
横関英一『江戸の坂 東京の坂(全)』➖麻布
Ⅲ 明治、大正、昭和をたどる
永井荷風『日和下駄 一名 東京散策記』➖神楽坂ほか
井伏鱒二『荻窪風土記』➖善福寺池ほか
内田百閒「東京日記」➖暗闇坂
新井 巌『番町麴町「幻の文人町」を歩く』➖平河町〜本郷
新潮社 編/東京国立博物館 監修『こんなに面白い東京国立博物館』
穂積和夫『絵で見る 明治の東京』
今 和次郎『考現学入門』➖井の頭公園
赤岩州五/原田 弘・井口悦男 監修『銀座 歴史散歩地図 ―明治・大正・昭和』
Ⅳ 東京生まれの東京育ち
木村荘八『新編 東京繁昌記』➖佃島
26-荒俣 宏『大都会隠居術』➖雷門通り
滝田ゆう『下駄の向くまま 新東京百景』
小沢信男『東京の人に送る恋文』
小沢昭一『ぼくの浅草案内』➖千束〜三ノ輪
種村季弘『江戸東京《奇想》徘徊記』➖大塚
秋本 治『両さんと歩く下町』➖亀有
川本三郎『ちょっとそこまで』
Ⅴ 小さな旅
つげ義春『新版 貧困旅行記』➖檜原村、御岳山
若菜晃子『徒歩旅行』➖秩父
財団法人日本ナショナルトラスト 監修『日本近代化遺産を歩く』
今尾恵介『鉄道唱歌と地図でたどる あの駅この街』
ニコラ・ブーヴィエ『ブーヴィエの世界』
長谷川 裕・村上 健『怪しい駅 懐かしい駅 東京近郊駅前旅行』
安西水丸『ちいさな城下町』
Ⅵ 味な散歩
菊地武顕『あのメニューが生まれた店』
太田和彦『銀座の酒場を歩く』
坂崎重盛『東京煮込み横丁評判記』
『東京渋カフェ地図』
辻 征夫「池袋 土曜の午後」
平松洋子『焼き餃子と名画座 わたしの東京 味歩き』
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 水の都 東京
第2章 江戸の面影
第3章 明治、大正、昭和をたどる
第4章 東京生まれの東京育ち
第5章 小さな旅
第6章 味な散歩
<内容>
ドイツ文学者で旅行・散歩の達人による、他の作家の旅行・散歩本に載るところを旅する本。「散歩の達人」に連載をまとめたもの。明治期のものから平成のものまで、散歩したくなる内容。著者は、書棚に「行きたいところ」のファイルがあり、新聞や雑誌などで見かけて、面白そうだと感じると、片っ端からこのファイルに突っ込み、気が向くと出かけるらしい。ついでのときに近隣の地図もコピるらしいので、さすがに筋金入りだ。こっちは、興味を持ったところを記憶しておくのだが、最近とみに忘れっぽい。よほどのことがないと、忘却の彼方へ行ってしまう。こまめに何かするに限る。