あらすじ
かつて多くの球団を鉄道会社が保有していたように、
古くから密接なつながりがあるプロ野球と鉄道。
チームの遠征においても鉄道は必要不可欠で、
新幹線の開業による所要時間の短縮は革命的な出来事だった。
本書では、黎明期から現在までのプロ野球と鉄道の関わりについて、
各種資料を検証・考察するとともに、現在球団を保有する
阪神電鉄や西武鉄道の取り組みなどを紹介。さらに、
金田正一氏や古葉竹識氏といった往時のスター選手たちが語るエピソードなど、
さまざまな視点からその深いつながりをひもといていく。
■著者紹介
田中正恭(たなかまさやす)
昭和30年、神戸市生まれ。甲南大学卒。神奈川県在住。国内鉄道全線踏破のほか、海外27カ国を鉄道旅行。鉄道を中心とした執筆活動を続けている。熱心なプロ野球ファンでもあり、昭和57年から9年間阪急ブレーブス東京応援団として活動した。ブレーブス消滅後は、12球団の試合を観戦し、球場での観戦は1000試合を超える。著書に『われらブレーブス人間』(菁柿堂・共著)、『消えゆく鉄道の風景』『終着駅』(自由国民社)、『夜汽車の風景』(クラッセ)などがある。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
かつては国鉄をはじめとして、多くの鉄道会社が
プロ野球球団を所有していました。
しかし現在はご存知の通り、阪神と西武くらいです。
プロ野球の所有会社は、その時代の代表的産業を大きく
反映しているのですから、それは仕方ないです。
現代では、たとえ自社の鉄道網で自前チームの球場に
お客さんを呼び込んだとしても利益には繋がらないの
でしょう。
しかしこの本にはもう一つの主題があります。
新幹線などの高速鉄道の発展により、地方都市球団も
遠征が楽になり、強いチームへと変わっているという
点です。
古くは広島カープが初優勝した昭和50年には、
新幹線が大阪から岡山まで延伸されています。
戦力の均衡が図られているももちろんですが、
こういった地方のハンデがなくなりつつあり、
どのチームが優勝してもおかしくない構図が生まれて
いるという説は非常に説得力があります。
Posted by ブクログ
大手の鉄道会社がみんな球団を持っていたらおもしろいのになぁとか、普段から思っていた私には垂涎の書!
小林一三はやはり娯楽の才覚が半端ないですな。
面白かったのは、大昔の新幹線もなかった頃の遠征の移動手段。当時はダブルヘッダーも多かったから本当に大変だったのだろうと思う。仙台に本拠地があったロッテの苦労とか知り得て興味深かった。
最終章の元選手の鉄道にまつわるインタビューがとりわけ面白かった。カネヤン、屋鋪要、古葉竹識などなど。みんな鉄道愛にあふれていて心あたたまる良書でした。
Posted by ブクログ
プロ野球と鉄道について語った一冊。
かつては多くの鉄道会社が球団を持っており、今も阪神や西武など親会社が鉄道会社の球団は存在する。
それとは別に鉄道によって遠征が楽になったり、逆に球団が地方に分散したりというのもあり、球団と鉄道が切っても切れない関係というのがよく分かった。