あらすじ
〈最もすぐれた殺人方法を示した者に大金をやる〉空別荘に集められた四人に男は提案した。初対面の四人には共通点があった。それは殺人を犯し、逮捕されなかったということ。すなわち「完全殺人」の成功者たちだった。凶器の消し方、アリバイ工作、動機の隠蔽、四人は自らの犯罪を語り始めた…。完璧な殺人とは? そして奇妙な提案の真意とは? サスペンス傑作短編集。
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Posted by ブクログ
◎よく練られた完全犯罪8つの短編集。
それぞれ思わず唸る物語ばかり。
「奇妙なラブ・レター」
早川が歩いていると、見知らぬ女・冴子からラブレターをもらう。後日家が荒らされてしまい、冴子の素性を調べると見知らぬ男のいる場所へ連れて行かれてしまう。早川万事休すだったが・・・
「幻の魚」
雑誌の仕事をしている田島は、休暇を利用して幻の魚・イシダイを釣りに式根島へやってきた。旅館に泊まっている有子を探していると風呂に現れキスをした。
翌日死んだということがわかり巡査が来て、事件に巻き込まれたと知った田島は・・・
表題作「完全殺人」
あるところに集められた五人の男女。なぜかそのうちの一人、主人役は他の4人が十五年前にそれぞれが犯した殺人を知っていた!最もすぐれた殺人をしたものに賞金が与えられるという話となり、一人ひとりからそれぞれの経験を話しはじめると・・・
8つそれぞれがしっかりしていて読み応えのある作品。殺人をどうやったら巧妙に隠せるか、それぞれの殺人者が知恵を絞って考えている。十津川警部はあんまり出てこないしトラベルミステリーでもないのだが、西村京太郎に慣れていない人でも面白く読める一冊。
Posted by ブクログ
短編だけあって読みやすいです。タイトルにもなっている完全殺人よりも、アリバイ引き受けの方が個人的には面白かったです。ただ、完全殺人の各々が大事だとしているもの、犯行の全貌はユニークで興味深いものでした。
ミステリーでありながらも、独特な余韻を残す終わり方が多く、楽しませて頂きました。焦点距離の最後の文章の着地が良いなと感じました。
Posted by ブクログ
どんでん返しという謳い文句のミステリーが本屋の面積を占領する中でここまで硬派な小説も珍しい。
だいぶ前に書かれたもののため、時代背景が少し昔であることも個人的には好きだった。
Posted by ブクログ
全8話からなる短編小説。
いろいろな『動機』をテーマにした話はシンプルに面白いの一言だった。
短編集ならではのストーリーの軽快さがくどくなく、とてもスッキリする
ただ、時代背景なのか句読点の使い方に違和感を感じてその点は読みづらさを覚えた。