あらすじ
サービスデザインやデザイン思考という言葉の通り、今やあらゆるビジネスにデザインは欠くことができない概念です。しかし、それを理解することと実践することは大きく異なります。頭で分かっていたとしても、よいサービスをデザインするためには組織自体がデザインされていなければなりません。
本書には、世界に名高いユーザーエクスペリエンスのコンサルティング会社Adaptive Pathの創設者である著者が、長年にわたり取り組んできた「デザイン組織」の構築&運用方法のノウハウが詰め込まれています。ここでいうデザイン組織とは、決してただかっこいいものを作っている会社のことではありません。言うなれば、組織がうまく機能することで質の高い顧客体験を創り出せている会社、です。著者たちは、そうした企業になるために求められる価値観から詳細な組織構造、そして採用活動にいたるまで、豊富な経験をもとに詳しい解説をしています。本書は、まさに今の日本に必要な「デザイン組織のための組織デザイン」入門としておすすめしたい一冊です。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
デザイナー、デザイン組織に関してはデータサイエンティストと同じように近年注目され始めた職種・職能の肩書きだと思う。
特に従来は受託で請け負ってきたものがインハウス型に移行している点。
従来の組織上ではマッピングしにくく浮きがちになる点など共通点が多く、参考になるのではないかと思って読んだが、案の定めちゃ参考になった。
【目次】
日本語版刊行によせて | 長谷川敦士
まえがき | アンドリュー・クロウ
はじめに
1 なぜ今、なぜデザイン?
2 デザインのポテンシャルを知る
3 優れたデザイン組織の12の強み
4 集権的パートナーシップ
5 役割とチームの構成
6 採用活動と雇用
7 チームの育成:専門能力の向上と人材マネジメント
8 デザイン文化の醸成.
9 他部門とうまく協力する
10 最後に
Posted by ブクログ
タイトルにあるとおり、デザイン組織を作るには何に気をつけて、どのようなプロセスで何を作っていけば良いかが書かれている良著。
メモ
・優れたデザイン組織の12の強み
基盤
1 目的意識の共有
2 限定型リーダーシップ
3 ユーザーに対する真の共感
4 価値の理解、明確化、創出
成果
5 カスタマージャーニー全体を考慮する
6 全てのスケールで遂行する
7 品質基準を策定し、維持する
8 完璧さよりも価値の提供を優先する
マネジメント
9 チームを作るのはリソースではなく人
10 視点とバックグラウンドの多様性
11 協力的な環境の育成
12 効率的なオペレーション
Posted by ブクログ
デザイン組織のお勉強。
チームとしてこのエピソードから学べることは2つ。第1に、重要なのはスキルと優秀な人材ということである。登録選手を大幅に入れ替えたウォリアーズは20年ぶりに連続してプレイオフに勝ち進んだ。しかし、優れた選手を集めるだけでは十分でなかった。第2に、チームの能力を最大限に引き出すには、気配りの行き届いたマネジメント、確たるビジョンをもったリーダーシップ、そして円滑なオペレーションが求められること。デザインチームは往々にしてこの点で苦労する。エンジニアリングやマーケティングなどに比べてデザインは新しい部門なので、何が正しいかきちんと理解できていない。組織の大半の人々はほんとうに有能なデザインチームと仕事をしたことがないし、ほとんどのデザイナーからしてみてもポテンシャルを最大限に発揮したチームに加わった経験がなく、自分自身のポテンシャルを発揮させるために何が必要なのかを知らないのだ。
■優れたデザイン組織の12の強み
【基盤】
1.目的意識の共有
2.限定型リーダーシップ
3.ユーザーに対する真の共感
4.価値の理解、明確化、創出
【成果】
5.カスタマージャーニー全体を考慮する
6.すべてのスケールで遂行する
7.品質基準を策定し維持する
8.完璧さよりも価値の提供を優先する
【マネジメント】
9.チームを作るのはリソースではなく人
10.視点とバックグラウンドの多様性
11.協力的な環境の育成
12.効率的なオペレーション
デザイナーに、自分が作っている製品やサービスばかりに目を向けさせてはいけない。製品やサービスの機能は、ユーザーと企業の関係をただ表しているにすぎない。デザイナーはむしろ、ユーザーエクスペリエンス全体にこだわるべきである。そのため、ユーザーのタイプ別にチームを作るのがいい。多くの企業のオーディエンスはそれぞれにはっきりした特徴を持っている。市場なら買い手と売り手。銀行なら個人/消費者、中小企業、大口顧客。教育機関なら教師、管理者、生徒、保護者。ユーザーのタイプにフォーカスすると、デザインチームのユーザー理解はぐんと深まり、得られた共感によってユーザーの文脈や能力に合ったデザインが生み出される。