あらすじ
ある日突然がん患者となったら――。抗がん剤治療が先か、手術が先か? 家族には、職場にはなんと言う? 20代~70代まで北海道で暮らす〈普通の人々〉が実名で書いたがん体験記28編を収録。〈告知のショック〉〈病気のつらさ〉〈前向きに生きるコツ〉など、それぞれの病との向き合い方がわかる、多くの読者に感動と勇気を与えてくれる本。
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Posted by ブクログ
がん体験記は数多く出版されていますが、複数の当事者が実名で書きつづったものは珍しいと思います。本人がまさに「命の証」として思いのたけを書き込んでいて引き込まれます。末尾の座談会も、全体を補う形になり、構成の妙を感じました。
Posted by ブクログ
【ともに生きるもの】
がん、死因で上位、誰もが恐れる病気かもしれない。
実名で、寛解した人達、常に転移の可能性がある人達が、どのように折り合いをつけて暮らしているかが書かれている。
末尾の座談会で、実名だからこそ責任もって伝えるとある。その通りであり、さらに重要なことは「ともに生きる」ことができていることである。
がんと「闘病」する人はがんとともに生きないばかりか、自分自身も否定してしまうのではないだろうか。自分と病気を受け容れられないことが一番の苦しみだろう。
他人の責任にしようとする人はさらに悪い。この書では他人のせいにすることなく、周囲の支援に感謝している。だからこそ生きられるのではないか。
生きづらさ、活き辛さがあるという点では、難病や障がいがある人達と近い。この本で講演で理解者が増えて、がんとともに生きることが理解さえあれば苦ではないと思えるようになる日が遠くないでしょう。