あらすじ
目次
第1部株式トレーダーたち
第1章スティーブ・クラークSteveClark」
うまくいくことを増やし、うまくいかないことは減らして、損失年はゼロ、年平均は一九・四%を成し遂げた「高卒のヒーロー」
第2章マーティン・テイラーMartinTaylor
高ベータ銘柄の買いで年平均二二%のリターンを上げ、“ロシア皇帝は裸の王様”と見破った「ロングオンリーのマネジャー」
第3章トム・クローガスTomClaugus
価格は平均回帰するという信念からエクスポージャーを自在に操り、年平均複利一七%をたたき出す「生まれながらのコントラリアン」
第4章ジョー・ヴィディッチJoeVidich
ヘッジファンド業界で上位一%のリターン・リスク比と、年複利平均一八%を達成した「損失を刈り取る名人」
第5章ケビン・デーリーKevinDaly
バフェットをマネながら自宅で一人で運用し、一二年間で資産を九倍、年複利平均二〇・八%を樹立した「ほぼロングオンリーのバリュー投資家」
第6章ジミー・バロディマスJimmyBalodimas
トレードの常識を無視して、垂直に近い上昇での空売りを好む「シュワッガーお墨付きの絶対にマネをしてはならない直感トレーダー」
第7章ジョエル・グリーンブラットJoelGreenblatt
グレアムとバフェットの徹底研究から「魔法の公式」を編み出し、年複利平均五〇・〇%という驚異のリターンを誇る「バリュー投資のカリスマ」
第2部グローバルマクロ戦略のトレーダーたち
第8章コルム・オシアColmO'Shea
ファンダメンタルズ分析から今起きていることに気づき、低リスクで年複利平均一一・三%を実現した「ソロスの弟子」
第9章レイ・ダリオRayDalio
ファンダメンタルズに基づいたシステムトレードで、年複利平均一四・八%を成し遂げた「間違いが大好きな天才」
第10章ラリー・ベネディクトLarryBenedict
三振を何回しても、最大ドローダウン五%で年複利平均一一・五%を達成した「リスクマネジャーの鑑」
第11章スコット・ラムジーScottRamsey
〇・一%のリスクで年次損失ゼロ、年間複利一七・二%のリターンを上げた「小心な理系の裁量トレーダー」
第12章ジャフリー・ウッドリフJaffrayWoodriff
ボラティリティの高低に合わせてポジションサイズを調節し、システマティックなアプローチで年平均一一八%を誇る「大衆が嫌いなトレーダー」
第3部マルチストラテジーのトレーダーたち
第13章エドワード・ソープEdwardThorp
ディーラーをやっつけた手法で月間勝率九八・七%、年平均複利リターン一九・一%を記録した「カジノ出禁の革新的数学博士」
第14章ジェイミー・マイJamieMai
市場の隠れた非効率性に目を向けてサブプライムローン危機で大儲けし、年平均四〇%を樹立した「柔軟性に富む巨人」
第15章マイケル・プラットMichaelPlatt
裁量戦略でもドローダウンは五%以下、年平均複利リターン一四%を実現した「お金を失うのが嫌いなリスク管理の達人」
結論――マーケットの魔術師による四〇の教訓
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Posted by ブクログ
投資を極めた『ウィザード』達によるインタビュー集の第4弾です。前作から10年の時を経て本書が刊行されたのですが、やはり、本気で投資を考えている方にとってこのシリーズに目を通すのは必須であると思います。
僕は大学時代からこのシリーズを読んでいて、ずいぶんと影響を受けたものです。本書は第4弾で、前作から10年の歳月が経過しておりますが、そのクオリティは、やはり折り紙つきでございます。
本シリーズの影響力は本当に絶大で、筆者のインタビューを受けている『投資の達人』たちのうち、かなりの人間がこの本の影響を受けたり、ここに取り上げられた人物の下で働いて、その薫陶を受けていると知り、何か感慨深いものを覚えてしまいました。
しかし、重量級の内容から、僕はこれを完読するのに、二ヶ月の月日を要してしまいましたが、それに値する『何か』は得られたような気はいたします。ここには世界最大のヘッジファンとの設立者から、独立系ファンドのマネージャー。さらには数学的にギャンブルで勝つ方法を編み出し、カジノでディーラーをやっつけ続け、果てはカジノ側から命まで狙われた、などという経歴を持っている人物などがインタビューに応じております。
人生の遍歴、投資に興味を持つようになったきっかけ。その修行時代の苦労。中には首になったり、会社が買収なり倒産なりしてしまった苦労話。その中からやがて自分なりの『勝利の方程式』を見出すに至るプロセスが、筆者の絶妙なインタビューから引き出され、大いに啓発される部分がございました。投資や市場に興味のない方は正直読んでも仕方がないので、あまり熱心にお勧めはしないのですが、『机上の学問』ではなく、『生きた経済』を学ぶきっかけを持ちたい、という方や、本気で資産運用を考えている、という方は読んでも少なくとも
「こんなとんでもないものを紹介しやがって!カネ返せ!!」
といわれない程度には、自信を持って勧める事ができます。