あらすじ
少年少女を救うのは、互いを想う力と一輪の花
母を亡くし絵を描けなくなった颯斗と、“いい子”の重圧に押しつぶされたあかり。
自分らしさを取り戻すための、高校生活がはじまる――。
主人公・矢崎颯斗が病気の母のために描いたのは、花瓶に生けたなでしこの絵。母を失ってからは思い出さないように逃げてきた彼の前に、小花あかりという底抜けに明るい少女が現れた。彼女の天真爛漫さに、なぜか憎まれ口を叩いてしまう颯斗だったが、正反対の二人はだんだんとその共通点と最初の出会いに辿り着く。明るさのうらに隠されたあかりの本当の姿を、颯斗は見つけ出し救うことができるのか。
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Posted by ブクログ
花のように瑞々しくて、優しいお話でした。
装丁の美しさとあらすじに惹かれて購入しました。
颯斗くんとあかりちゃん、
ふたりの周りにいる人たち。
それぞれが痛みを抱えていて、だけどすごく周りを思いやっている。
そんな優しさにキュンとしました。
高校生4人の恋愛模様は、ああ、青春っていいなぁ…と懐かしい気持ちになりました。
大人たちが子供の背中を押してくれていたのも心に残っています。
特に桜井先生、こんな先生が身近にいたらとても頼もしいだろうなぁ。
あかりちゃんの抱える事情は、完全に癒える日が来るかはわからないでしょうね。
それでも、颯斗くんが隣にいてくれるなら、きっと大丈夫なんだろうなぁ…と、
あったかい気持ちになりました!
Posted by ブクログ
私も同じように中学校を卒業して高校に進み、華やか?な学生生活を送っていたはずなのに、なぜこの本に書いてあるようなキラキラとした青春を送った記憶がないのだ!
それをまざまざと見せつけられているようで、ある意味残酷な現実を直視させられた作品でした。もちろんおもしろかったんですよ。でも……でも……私の人生はどうしてこうも何も起こらないつまらないものになってしまったのだろうかと考えずにはいられないのです(泣)。
過去のトラウマのせいで、好きなことから遠ざかってしまうもの、
虚勢を張り続けることで周りに必要以上に踏み込ませないもの、
周囲の理解のおかげでなんとか踏みとどまっていたけど、
たった一つ、心の支えがなくなってしまったことで、
ダムが決壊するかのごとく、積み上げてきた関係が崩れ去ってしまう。
こんな重たい経験をしたことがない私は、彼らにかける言葉が見つからない。
そうならなかった自分の境遇は幸運と言えるのかもしれないけど、
そんな人が周りにいたときにそのことを理解し、手を差し伸べることが自分にはできるのだろうか。
今まで私は自分の人生を全うするうえで他人が心の中に抱えている暗がりを少しでも考えたことがあったのか。結局自分がこれまで行ってきた”思いやり”というものは、周りに対するポーズでしかなかったのかもしれないなと、この本を読んだことでようやく自覚できたかもしれない。
花が大きなテーマになっている本なので、各話のタイトルになっている花の花言葉を調べると、より物語の理解が深まると思いますよ!
Posted by ブクログ
嫌な人が出てこない優しい青春小説。颯斗もあかりも相手を思いやっているからこそ、傷つけ合ってしまうのがせつない。誰かの痛みに寄り添うことは難しいけど、ゆっくりと素敵な関係を築いていって欲しいと思いました。