あらすじ
古来より、人は、狩りの対象、つまりは捕獲、追放、殺害の対象だった。それは狩猟をモデルとした権力と暴力の歴史であり、補食関係の反転や解放をめぐる闘争の歴史でもある――。
「フーコーの再来」といわれた著者が放つ、新たな権力論にして異例の哲学。
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『スラムの惑星』『マルクス』著者、マイク・ディヴィス推薦!
「人間とは、人間にとって狼なのか。――ブレヒトが提起したこの問いに、シャマユーは、素晴らしくもぞっとするような答えを差し出す」
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Posted by ブクログ
ヨーロッパの歴史において人間を対象とした狩猟、すなわち人間狩りについてどのような理屈付け・思想が付与されてきたかの歴史をたどる本
思想・哲学がメインなので、そのあたりの含蓄がない人間が読むにはやや苦労した
古代のスパルタや聖書における人間狩り、近代における外国人労働者やナチスを含むヨーロッパのユダヤ人差別まで手広く扱われていた。
人間を対象とした狩りというのは同じ種族を人権のない存在・モノ言う動物化するという観点で一般的な動物狩り・狩猟とは一線を画している。そのような本来許されざる行為をどのようにして正当化するのか、また近代的にいう人権をはく奪された存在にはどのような理屈が与えられているのかということを丁寧に描かれていた。