【感想・ネタバレ】人間狩り――狩猟権力の歴史と哲学のレビュー

あらすじ

古来より、人は、狩りの対象、つまりは捕獲、追放、殺害の対象だった。それは狩猟をモデルとした権力と暴力の歴史であり、補食関係の反転や解放をめぐる闘争の歴史でもある――。
「フーコーの再来」といわれた著者が放つ、新たな権力論にして異例の哲学。

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『スラムの惑星』『マルクス』著者、マイク・ディヴィス推薦!

「人間とは、人間にとって狼なのか。――ブレヒトが提起したこの問いに、シャマユーは、素晴らしくもぞっとするような答えを差し出す」

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Posted by ブクログ

ヨーロッパの歴史において人間を対象とした狩猟、すなわち人間狩りについてどのような理屈付け・思想が付与されてきたかの歴史をたどる本
思想・哲学がメインなので、そのあたりの含蓄がない人間が読むにはやや苦労した

古代のスパルタや聖書における人間狩り、近代における外国人労働者やナチスを含むヨーロッパのユダヤ人差別まで手広く扱われていた。

人間を対象とした狩りというのは同じ種族を人権のない存在・モノ言う動物化するという観点で一般的な動物狩り・狩猟とは一線を画している。そのような本来許されざる行為をどのようにして正当化するのか、また近代的にいう人権をはく奪された存在にはどのような理屈が与えられているのかということを丁寧に描かれていた。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

人間が人間を狩る、人間狩りについて、古代ギリシャの奴隷から現代の不法移民までを哲学的に論じている。古代ギリシャで家政的なものであった狩りが環大西洋の奴隷狩りによって空間的に広がり、異人種狩りが国家レベルまで引き上げられたとする。
奴隷や人狩りは世界中で行われていたにもかかわらず、欧州や米国の以外の事例に乏しいことから、本書の議論は西洋の文脈に止まっているように思えた。

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2022年01月19日

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