あらすじ
キリスト教伝来時の最初にして最大の過ち――。異文化の軋轢を描き続けてきた直木賞作家が、ザビエルを日本へ導いた“ヤジロウ”を軸に、「宗教のあり方」に迫った力作長編。「過ちとは何か」との織田信長の問いにルイス・フロイスは、ザビエルがキリスト教を日本へもたらした当初、デウスを「ダイニチ(大日如来)」としていたため、仏教の一派と思われていた、と答える。その大日の訳語を提案したのがヤジロウ、ザビエルを日本へ連れて来た男だという。ヤジロウとは、何者だったのか。そして、16世紀半ば、島津貴久が治める薩摩で始まった、キリスト教の布教は――?
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Posted by ブクログ
「熱源」の著者。苦手な歴史小説だったが、勉強だと思い読んだ。1549年、フランシスコ・ザビエルが布教にやってきた、これは教科書で習ったが、その立役者に日本人が居たこと、島津の殿様との関係など、なかなか面白かった。キリスト教が日本でも広まった原点だと思うと感慨深い。
Posted by ブクログ
パシヨンのスピンオフ的な作品かな。パシヨンほどのドラマはないが、信仰への渇いた距離感がよかった。権力に翻弄される民を救うのは信仰か生活か。パシヨンの情熱と表裏で読むと面白い。
Posted by ブクログ
フランシスコ・ザビエルと共に日本にキリスト教布教の第一歩を記したヤジロウ。アンジロウとも言われるその出自が明らかでない人物を一人の人間としてその子供時代から想像豊かに描いている。正直少しお話としておあつらえ過ぎる感はあるものの、キリスト教の布教の苦労話的内容ではなく、ヤジロウその人に焦点を当てたことで、読み物としてのおもしろみ、エンタメ性が強調され、ペース良く読み進めることができた。