【感想・ネタバレ】パラドックス実践 雄弁学園の教師たちのレビュー

あらすじ

初等部から大学院までをそなえた伝統ある名門校、雄弁学園。最大の特色は通常の科目の他に「雄弁」を学ぶこと。新任の教師、能瀬雅司(のせまさじ)は生徒から難問を突きつけられ、雄弁術で証明しなければならなくなった。失敗したら生徒たちに失格の烙印を押されてしまうだろう。新米教師は無事「試験」に合格できるのか? (講談社文庫)

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Posted by ブクログ

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嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、もっと分かりやすく書けなかったかなあ。というか、弁論術をより効果的に小説の題材として扱うことだって出来たはずなのに。学園モノは嫌いじゃないから、それだけで期待が高まる部分はあったのだけど、高等部部長が冒頭否定していた「詭弁」そのものだと思う。実例実証なしの、教養が抜け落ちた論理お化けを、詭弁と称せず何と呼ぶのだろう?それは、全てが机上の空論であって、頭でっかちの子どもの育成であって、あまりに空疎。ということで、設定そのものにも、そもそも難があったってことだな。むしろ、詐欺集団を育てるための育成スクールみたいな無茶苦茶な設定だったら、よかったのかな。

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2019年09月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

通常の科目のほかに,「雄弁」を学ぶという伝統ある名門校雄弁学園を舞台とした連作短篇集。パラドックス(=逆説)をテーマとした論理的な作品というよりは,やや人情ものっぽい要素がある。ミステリではないが,個々の短篇にはミステリ的な手法が生かされている。「パラドックス実践」は,本編の主人公,能瀬雅司という教師が,生徒達から出題された三つの命題にどのような解決を見せるかというハウダニットだし,「職業には向かない女」は,一度,挫折して雄弁学園を去った五十嵐という女性教師と,一歳年下の北原という女性教師との関係は何か。なぜ,雄弁学園は五十嵐を教師として呼び戻したいと思っているのかという点が謎として描かれている。
どの作品も読後感がすっきりしている。パラドックスをテーマにしながら,どこか人情的な作品になっており,この当たりがすでにパラドックスかも。タイトルからもっとガチガチした論理ものを期待していたが,これは,これで悪くない。★3で。

○ パラドックス実践ー高等部
「テレポーテーションが現実に可能であることを証明してほしい」,「海を山に,山を海に変えられることを証明してください」,「サンタクロースが本当にいることを証明してください」という生徒から与えられた3つの命題を「宅配便」を利用して論破してしまうという話

○ 弁論大会始末ー初等部
読めない古文を読んだように見せかけるのではなく,古文を読んでいたことを読んでいないように見せかけるというパラドックス。実際は「北越雪譜」を読んで弁論をしたのに,「川のいきもの」を読んで弁論をしたと見せかけた少女の話

○ 叔父さんが先生ー中等部
過去に学長を選ぶ選挙で中等部を裏切ったとして,懲罰人事を受けた教師とその姪が主人公。A=Bであり,なおかつA≠BであるようなAとBを探すという命題について,歴史というのは自然科学的真実のようであり,そうではないようでもある,としてその命題に対する答えを見つけるという話。

○ 職業には向かない女=雄弁大学
栗坂が学園長の選挙に勝ったことなど踏まえ,五十嵐という女性教師に,雄弁学園に復帰するようになる話。決め手となったのは,「五十嵐桂子,街道の駅,写本」という奪われた一番手と,「北橋絵美莉,鉄道の駅,刊本」という奪った二番手の関係が,独自の価値を持ち,両立しうるという結論を導いたというもの

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2015年12月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

もっと屁理屈に対して屁理屈で返す、屁理屈の応酬に終始していく物語かと思いきや意外と二話目から教師モノになっていた。
最終的に読後感は悪くないが、先生って大変なんだなとしみじみ思った。

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2013年03月29日

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