あらすじ
「暴力性」を放置する社会を続けるのか
日本には、正規の滞在が認められない外国人を収容する入管収容施設がある。収容の可否に司法は関与せず、無期限収容も追放も可能な場所だ。差別と暴力が支配するこの施設は、私たちの社会の一部である。「不法な外国人」に対する眼差しにも迫る、果敢な試み。
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Posted by ブクログ
考えてみれば生まれてこの方、この入管問題というものにちゃんと触れたのはこれが初めてだった。
ウィシュマさんという外国人が入管に収容されている間に死亡したという事件を耳にしたときはなんで病院に連れて行くなり医者に来てもらうなり出来なかったのだろうくらいしか、考えられず、この本を今回読んで衝撃的だったが、十数年も弁護士さんが問題に取り組んでも、少しは変わっても根本的なことは変わっていないとご本人が言うように、事はもう国の問題に違いなく、そしてその国は結局何事もなかったことのようにしてしまう輩が政権を握っている国なのだから、もう、ある意味絶望的なのだけれど、それでも読んでる間、さあ!オマエには何ができるんだ?って問いかける自分の思いが絶えず心臓を叩いているような気がしてた。
明日からまたこの問題については忘れたかのようになってしまうのか。お金も必要だけどお金だけではなさそうなこの問題に、自分は何をすればいいのだろうか?
苦しいよな…
Posted by ブクログ
知るべきことが、知らなくてはいけないことが、変えなくてはいけないことが丁寧に一冊の書籍にまとまっている。この書籍の出版だけで終わらせてはいけない。
Posted by ブクログ
とても 信じ難いことが
この国で 起きている
弱い立場に追い込まれた
人たちの人権が侵害されている
しかも それが
「入管収容施設」という密接であることが
なお 悲しい
弱い立場の人たちが 救われない
その構造は あらゆるところで
噴出してくることだろう
なにもしなければ
なにも見ようとしなければ
なにも聴こうとしなければ
その 悪の手は
私たち自身にも 迫ってくることだろう
Posted by ブクログ
入管収容施設内で発生したスリランカ人女性の死亡事件に端を発して、近年大いに話題となっている入管問題について、歴史や法律の観点、また不当に扱われている外国人の人権を守ろうと戦う人々や団体の活動を紹介した一冊。
不法滞在。在留資格がないのに無許可で日本に隠れ住み働いている。日本で犯罪を犯した。そんな人だけが収容されるのだろうと本を読むまでは単純に考えていた。
しかし祖国で迫害され日本に逃れてきた難民や、長年日本で暮らしてきて自分の子ども日本の小学校に通っているような人々が様々な理由で在留資格を失い、司法による判断もなく入管の恣意的な判断で突然、施設に収容される。
過去には非常に劣悪な環境下で子どもまで収容され自由を奪われた事件も多数あり、今でも施設から出られず苦しんでいる人が大勢いる。これが本当に自身の住む日本で行われていることだろうかと目を疑った。
移民・難民に関する問題は様々な視点から考えなければならない。一方的に善悪で判断できない問題だと思う。ただ、その問題を問う前に日本人でも外国人でも同じように人権は守られなければならない。外国人だから、不法滞在者だからと暴力や不当に扱っていいわけでは断じてない。(そもそも不法かどうかも一方的な決めつけである場合もある)
この本を読んで、もっと入管問題について知りたくなった。特にウクライナ問題で日本にも多くの避難所や難民が訪れている今だからこそ学ばなければならないと強く感じさせる本でした。