あらすじ
いま最も注目されている業務自動化ツールが「AIエージェント」です。RPAやマクロなど、これまでもさまざまな自動化ツールはありましたが、AIエージェントはLLMによって人間の指示を理解し、自律的にタスクを達成する仕組みです。本書では、AIエージェントとはどういうものでどう便利なのか、そしてどうやって使えばいいかについてわかりやすく整理しています。「興味はあるがよくわからない」「どうやって導入すればよいかわからない」といった人たちの受け皿となるべく、自らもAIエージェントサービスを展開する古川渉一氏が、AIエージェントの仕組みやビジネス活用事例などをわかりやすく解説します。
・本書の構成
Chapter 1 生成AIの進化系「AIエージェント」
Chapter 2 AIエージェントをより深く理解する
Chapter 3 AIツールの効果的な使い道を知る
Chapter 4 AIエージェントを使ってみよう
Chapter 5 AIエージェント導入時の流れとポイント
Chapter 6 事例に学ぶAIエージェントのビジネス活用
Chapter 7 AIエージェントの未来
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Posted by ブクログ
いちばんやさしい教本
いちばんやさしいAIエージェントの教本 人気講師が教える自律型AIの基礎と実践ノウハウのすべて
著:古川渉一
出版社:インプレス
図鑑型、用語解説型のAIエージェント解説書です。
エージェントなので、AIと人との仲介役ということなのでしょうか
AIエージェントとは
・ゴールを理解して、自律的に行動するAI
・自律的に動けるデジタル同僚
なぜ、AIエージェントは注目されているのか
・業務の複雑さを吸収し、人の判断を最小限にする解決策となる可能性を秘めているから
ChatGPTとAIエージェントの違いはなに
・ChatGPTは応答:受動的
・AIエージェントは、行動:能動的
RPAとAIエージェントとの違い
・RPA 事前に決められた手段しかできない
・AIエージェンド 変化に気づき、自分で判断する
AIエージェント導入前にやっておくべきこと
①目的を明確にする
②業務フローを構造化する
③情報の所在を整理する
④判断ルールを明文化する
大きなタスクを小さなタスクに分解すること
最新のLLM(大規模言語モデル)の特徴
・一度に扱える情報量が飛躍的に増えた
・必要な情報だけをデータベースから引っ張り堕してプロンプトに与える(RAG)
RAGの処理フロー
①データの前処理とインデックス化
・文章の分割
・ベクトル化
・ベクトルデータベースへの格納
②検索
・ユーザ入力のベクトル化
・類似度検索
③応答生成
・コンテキスト拡張プロンプトの作成
・LLMによる応答生成
MCP:AIと外部ツールやデータソースを安全かつ効率的につなぐための規格
LLMと外部システムのインタフェースを共通化する
AIエージェントの思考パターン
・CoT:思考の連鎖 段階的に分解して考える
・ToT:思考の木 複数の選択肢を同時に検討する
・ReAct: 推論と行動を交互に繰り返す
AIエージェントには、リスクを考えて、必要最小限の権限を与える
ハルシネーションの軽減:真実ではない情報を真実であるかのように生成してしまう現象
マルチモーダル:文章だけでなく、音声、画像、動画とった複数のメディアからの入力を行う
マルチエージェント:複数のAIエージェントが協力して、タスクを遂行する
AIツールは3種
①コパイロット型:一つひとつの指示通りに動く
②ワークフロー型:決められた手順通りに動く
③エージェント型:要求を満たすように動く
①コパイロット型
主要なAIツール
OpenAI ChatGPT
MicroSoft Copilot
Anthropic Cloude
Google Gemini
5つのプロンプトテクニック
1)役割を与える
2)文脈を与える
3)考え方を与える
4)制約条件を与える
5)出力形式を与える
②ワークフロー型
ワークフロー型AIの得意な業務
1)ルーティン業務
2)安定業務
3)単純作業の組み合わせ
ワークフロー型AIの苦手な業務
1)非定型業務
2)イレギュラー対応業務
適切な設計アプローチ
1)機能ごとに小さなワークフローに分割する
2)モジュール化された設計を採用する
3)統合ポイントを明確にする
③AIエージェント型
AIエージェントの診断フローチャート
ツール導入時のチェックポイント
1)画面のわかりやすさ
2)データ連携の容易さ
3)学習コストの低さ
AIエージェント導入前に知っておくべきこと
1)継続的な学習と調整を前提とする
2)完璧を求めない
3)業務プロセスの見直しをおそれない
AIエージェント導入の5つのステップ
1)準備と計画
2)小さく始める
3)社内の理解と協力を得る
4)効果測定と改善
5)定義と拡大
業務の棚卸
1)業務の書きだし
2)現状把握
3)業務のピックアップ
3つの視点
1)属人化を発見する
2)暗黙ルールの言語化
3)業務の流れの可視化
AI駆動開発における適用
1)要件定義・設計 仕様のドキュメントへの落とし込み
2)コード生成
3)テストケースの作成
4)バグ修正
5)ドキュメント同期更新
6)利用状況の監視、スケーリング、コストの最適化
目次
著者プロフィール
はじめに
Chapter 1 生成AIの進化系「AIエージェント」
01 そもそもAIエージェントって何?
02 なぜ今、AIエージェントが注目されているのか?
03 ChatGPTとAIエージェントの決定的な違い
04 RPAとの違いは「判断」と「柔軟性」
05 人手不足はAIエージェントで補える?
06 「魔法の杖」ではない、AIエージェント導入に必要なこと
07 デジタル化、DXとの関係は?
08 「AIで失業」は本当に起きるのか?
09 AG(I 汎用人工知能)とAIエージェントの関係は?
COLUMN FOMOに惑わされない
Chapter 2 AIエージェントをより深く理解する
10 アーキテクチャで見るAIエージェントの構造
11 長期記憶で文脈を持つAIエージェントへ
12 MCP(Model Context Protocol)とは何か?
13 Webサイトを読み書きする能力を得る
14 エージェントの思考パターン
15 「世界モデル」とは何か? AIが“世界を理解する”方法
16 セキュリティ、ガバナンスをどう考えるべきか?
17 なぜ賢く見えるAIエージェントがミスをするのか?
18 進化するAIエージェントの最新動向
COLUMN パーソナルアシスタントがいよいよ現実のものに
Chapter 3 AIツールの効果的な使い道を知る
19 AIツールは3つの型に分けて考える
20 一緒に作業する相棒、「コパイロット型AI」
21 コパイロット型AIのメリットと落とし穴
22 業務フローを自動化する「ワークフロー型AI」
23 ワークフロー型AIにできること、できないことを見極める
24 ワークフロー型AIによる自動化時に考えるべき、人の判断との分担
25 考えて動く“仕事の代理人”、「AIエージェント」
26 AIエージェントの能力を最大限に生かすために
27 診断フローチャート:あなたの業務に合うAIの型やツールは?
COLUMN AIの「忖度」について考える
Chapter 4 AIエージェントを使ってみよう
28 ツール選びのコツと比較のポイント
29 汎用型AIエージェント「Manus」の活用方法
30 「Genspark」でスライド作成をしてみる
31 営業リストに対する企業リサーチとパーソナライズメールを作成する
32 「Deep Research」でソースに基づく網羅性のあるレポートを作成する
33 「Replit」でコードを書くAIにプロトタイプ開発を任せる
COLUMN RPAの巨人が描くAIエージェントの未来図:UiPathの挑戦
Chapter 5 AIエージェント導入時の流れとポイント
34 AIエージェント導入時の全体の流れ
35 AIエージェント導入が失敗する3つの理由と回避策
36 業務の棚卸しは3ステップで進める
37 属人化している業務の見つけ方と明文化
38 現場から始めるボトムアップ型アプローチ
39 小さな成功体験を素早く得よう
40 導入を進めるための「伝え方」
41 効果測定と効果が出なかったときにやるべきこと
42 AIエージェントを安全に動かすために知っておくべきこと
43 AIを前提とした思考法を身につける
44 AIエージェント導入の推進役を決めよう・
45 定着させる仕組みを作る
COLUMN イノベーションのジレンマを乗り越える
Chapter 6 事例に学ぶAIエージェントのビジネス活用
46 AIエージェントが支えるトレード、与信、リスク管理
47 AIエージェントが広告運用と顧客理解を進化させる
48 勘と経験の営業から、データが導く最適解へ
49 リード発掘からクロージングまでをエージェントが完結
50 AIエージェントが1人月のタスクをひと晩で終わらせる時代
51 AIエージェントが在庫管理と配送ルートを最適化
52 診療記録から治療計画まで膨大なデータを活用
53 「記録」から「戦略」まで、財務・会計エージェントが経営の速度を変える
54 採用から入社後フォローまで「社員1人分」の動きを担う
55 契約書チェックに加え、判断とリスク報告までをAIエージェントに任せる
COLUMN AIの推しコンテンツになるには?
Chapter 7 AIエージェントの未来
56 「AIネイティブ」とは?
57 AIエージェントは「分身」か「他者」か?
58 意思決定の外注が、社会をどう変えるか?
59 「人間の仕事」とは何か、ふたたび問われる時代へ
60 学びの本質が根底から変わる
61 AIに使われない人になるために
62 AIで成果を出す人の共通点
63 組織における“AIを使いこなす文化”の作り方
64 AI社会における責任と倫理
65 今日からできる! AIエージェント活用ToDoリスト
66 本書の執筆におけるAIツールの活用
COLUMN ウソをつくAI 対 ウソを見抜くAI
索引
ISBN:9784295021926
判型:A5
ページ数:224ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2025年08月
発売日:2025年08月26日