【感想・ネタバレ】ヤマケイ文庫 ピッケルと口紅のレビュー

あらすじ

1975年5月、日本女子登山隊が世界で初めて女性によるエベレスト登頂に成功しました。
頂に立ったのは副隊長・田部井淳子。そしてその傍らには、遠征準備から苦楽を共にした本書の著者・北村節子がいました。

本書は、著者と田部井がその後も長年にわたって挑み続けた世界の山々――シシャパンマ、マッキンリー、南極、そして七大陸の最後の一座・ニューギニア最高峰までの冒険を描いた、真実の「女子冒険譚」です。
自然の厳しさや異文化との出会い、人間関係の葛藤など、旅の舞台裏を生き生きと描写しつつ、そこにはいつも笑い合いながら困難を乗り越える2人の姿がありました。
最終章では、登頂成功をきっかけに“世界の有名人”となった田部井が背負うことになった新たな社会的役割と、それでも変わらぬ友情で楽しんだヨーロッパの山旅が綴られます。

自らの足で世界を切り拓いてきた女性たちの姿は、今を生きる私たちに力強いメッセージを投げかけてくれます。
本書は、人生の新しい道を探すすべての人に贈る、実話に基づいた応援歌です。

1997年に東京新聞出版局より刊行された『ピッケルと口紅 -女たちの地球山旅』をヤマケイ文庫で復刻。
なお、登頂50周年を記念して制作された映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』にも本書のエピソードが数多く登場しています。


■内容
はじめに
第1章 エベレスト
第2章 シシャパンマ
第3章 マッキンリーへ
第4章 南極
第5章 ニューギニア
第6章 アイガー東山稜
長めのあとがき

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Posted by ブクログ

朝ドラ化された『あんぱん』や『ゲゲゲの女房』に近い構成の作品でした。
世界のジュンコ·タベイが活躍する隣でイタズラっ子仲間のように隣で笑っていた筆者と田部井さんの青春を描いています。
1975年のエベレストから1992年の七大大陸最高峰、その後の山への気持ちを語って本書を終えていますが、田部井さんのエベレスト登頂50周年をきっかけに2025年のあとがきまで加わると、まるで一つの映画を観ているようでした。
昭和軽薄体、今で言うおじさん構文(?)のような文章が続き、事の過酷さを隠すのが上手だと感じました。
一つひとつの山の辛さは別の誰かが書いた書籍があるため省略されており、物語の進みも早く楽しく読み進めます。古書になりますが日本女子登山隊の本も読みたくなりました。

タイトルの『ピッケルと口紅』
男性的なピッケルという言葉に、女性的な口紅という言葉がお洒落に感じます。
男性が圧倒的に強かった時代に自分らしさを表現した彼女たちの生き様は当時この本を読んだ方、これからこの本を読む方に勇気を与えてくれる一冊であることは間違いありません。

0
2025年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

北村さん目線での田部井さんが気になって手に取った1冊。負けん気・我慢強さ・慎重さ。どれも山行においてはとても重要で、それを持ち合わせた女性陣たちの冒険譚。 

過酷な山行の中には書かれている以上に辛いことも悲しいこともあっただろうと思う。それでも明るく冷静で前向きな文体を見ると、これが山が明らかにした北村さんの人間力なんだろうなぁと思う。

映画がより楽しみになった!

0
2025年09月24日

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