【感想・ネタバレ】ブレイクダウンのレビュー

あらすじ

若き小隊長と怪物級無敵男の最強バディが駆け抜ける、
壮絶アクション×驚愕の国際謀略エンターテインメント!

舞台は2001年、日本最東端の小さな港町・枝室。
想像を絶する巨大な陰謀と最悪な戦争が待っていた──。

「戦争と国家が、このモンスターを生み、育てたのだ。」

杉江松恋氏、驚嘆!
「犯罪小説の読み手として至福の読書体験だった。
駆りたてられるように読み、物語が示す世界の破滅がいかに身近かを思い、しばし茫然とした。」

交通事故で兄を亡くした陸上自衛官の市瀬の官舎に、異相の大男・佐川が訪ねてくる。「あんたの兄弟は事故死じゃない。殺しだ」。不可解な死の謎を追う二人に次々と危険が迫り来る。元自衛官の芥川賞作家が放つ、大砲級のエンタメ超大作!

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Posted by ブクログ

★5 めっちゃ強烈な犯罪&暴力&冒険小説! 屈強な男が悪党たちを追い詰める復讐劇 #ブレイクダウン

■あらすじ
陸上自衛隊に勤務する市瀬のもとに、同業務隊の市瀬が訪れる。先日、市瀬は兄を交通事故で亡くしており、また同じ場所で佐川にとって大切な人物、倉田も亡くしていたのだ。佐川が言うには、市瀬の兄も倉田も、事故ではなく殺害されたらしい。二人はこの不可解な死を追うことになるのだが…

■きっと読みたくなるレビュー
★5 めっちゃ強烈な犯罪・暴力・冒険小説、よくもここまで激動な物語を書きましたね!

まず本の装画をみてくださいよ、屈強の男、入れ墨、銃、マシンガン、旭日章… もう、これだけで怖いっつーの。中身のそれ相応の人たちが出てきます、もちろん暴力的な悪党ばかりで大暴れしまくりです。時代背景は2001年なんで平成だと13年、まだコンプラなどは叫ばれていない清潔ではない日本が舞台になります。

本作は家族や仲間を殺害された自衛隊の市瀬と佐川が、復讐のため「誰に対しても」「どんなことでもやる」というお話です。こわっ

まず何でもありストーリーにびっくりなんですよ、どこかで聞いたことある裏社会の犯罪を扱ってるんすよね。北海道の東北部といえば… 個人的には学生時代によんだマンガ『ハロー張りネズミ』のとあるエピソードを思い出しました。

今の時代にこんな陰謀めいた物語を書いちゃっていいの? と思っちゃうくらいの内容。特に警察が滅茶苦茶に描かれてビビりましたね、どこか違う国の出来事かと思いました。久しくこんな怒髪天なストーリーは読んでいないので、すっかり夢中になっちゃいましたね~

そして本作で推したいのはキャラクターですね。まず何といっても佐川ですよね、次々敵をなぎ倒す様は圧巻で、もはやスーパーマン。それなのに何モノかさっぱりわからない、もはや怪物とか鬼ですね。

その佐川に巻き込まれていく市瀬。当初は佐川にドギモを抜いてましたが、覚悟をきめてからの彼はなかなかの渋さ。優しくて強いってのは男性としては憧れちゃうキャラクターです。

さて物語は復讐のため悪党を追っていくのですが、その途中で佐川の過去エピソードが描かれるのです。なぜこんなにも屈強なのか、なぜ怒っているのか、復讐を遂げたい理由とは?

もちろんフィクションではあるのですが、どこかで聞いたことあるような話で… 人が簡単に不幸になるスキームがあると思っていて、まさにこれなんですね。腹が立って仕方ないです。

物語の終盤には悪党のすべてがさらけ出されるのですが、もう開いた口が塞がらない。絶対に許せない悪逆どもの結末をしっかりと見届けました。

■ぜっさん推しポイント
若い頃先輩に言われた言葉「自分自身がしっかりしないと、家族や仲間に迷惑をかけることになる」当時甘えてばかりいた私にとっては、新しい自分に覚醒する一言でしたね。

本作もまた、人生のヒントを得られる一冊なのです。上手くいかないとき、苦しいとき、もう死が目の前にあるとき… 人は何を頼りに行動していけばいいのでしょうか。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

芥川賞作家の描くバイオレンス作品に期待したが・・・。
どうも流れに乗れず読むのに苦労してしまった。
シーンが過去に行ったり・・・と、余分なところもあったような感じ。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

バイオレンス&アクション&復讐&ヤクザ&警察の闇──小説でした。
砂川さんといえば芥川賞作家のイメージなので、こんなアクション小説も書かれるんだ…と驚きました。
北海道のロシア(ソ連)領で行われる密漁…ベトナム戦争に極秘裏に参加させられる自衛隊員…等々、公にならない国家の犯罪が次々と明るみになる展開はスリリングでとても面白かったです。
国家間の政治の犠牲になる漁業、警察の腐敗など…巨大な組織の腐敗や身勝手さが描かれていて、その組織に使い捨てにされる「兵士」の悲惨さ虚しさが伝わってきます。その中で「戦士」として生きようとする男の苦難。
それにしても、ホントにここ日本?と思うほど、めちゃくちゃ主人公サイドが殺しまくるので、度肝を抜かれます。出版社の紹介文で『怪物級無敵男』と評される佐川という男がいるんですが、まさにその通りすぎる怪物ぶりで、めちゃくちゃ強いんですよね。最初はちょっと強すぎない?と戸惑いが大きかったのですが、次第に佐川の無双っぷりを楽しみながら読んでいました。

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

少しずつ純文学から移行してきたが、前作、今作で明確に冒険小説の作家宣言をされたようだ。
もちろん冒険小説は大好きで原りょう、シミタツ、ディック•フランシスなどを今でも読んでいるのだが、砂川文次のいじけた主人公の内面描写が好きな者からすると筋立てを追うがためにその部分があっさりと通り過ぎてしまって物足りない思いがする。また、私が嫌いなスーパーマンが登場してくるのも気に入らない。不死身なヒーローが登場すると主人公のイジイジした描写ができなくなるじゃないか…
しかし芥川賞受賞作「ブラックボックス」で惚れこんだ砂川推しの私からは⭐️4を付けざるを得ない。

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2025年09月20日

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