あらすじ
4年にわたり連載された、小池田マヤの傑作長編。ヒナコ・マキオ・クロス、奇妙な三角関係が終わりを告げる驚愕の最終巻!!
マキオの子供を産む決意をし、クロスとつき合う事になったヒナコ。周囲の暗黙の了解のもと着々と「代理母出産」の準備を進めるが…。愛したい人を、愛したいだけ、愛したいように…。その先に待っていた未来とは――。
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Posted by ブクログ
すっごく切なくて、すっごく優しいお話でした。
多分、そんな風に思ってはいけないんでしょうが、飛行機、落ちてほしかった……と私も思ってしまいました。
最後の場面でクロスは泣いています。
けれど。
それでも人は生きる。生き続けるのでしょう。
月下美人、あれはマキオさんの子どもなのかもしれませんね。
ヒナちゃんとの間の子は「永遠(とわ)」ちゃん、なんですね。
あの子は……。
と、考えるのは野暮なことなのでしょうね、きっと。
大好きなお話なんですけど、あまりにも切な過ぎて。
切な過ぎて、苦しすぎて、もしかすると、もう開けないかも知れない。
でも、大好きで、大好きで、大切なお話です。
Posted by ブクログ
入社したサボテン屋で、複雑な生い立ちを背負ったセレブ一家と関わることになった新卒女の子とのお話。
狂言回しは普通の女の子だが、物語の中心は、病弱死にかけだが男らしく屈強に鍛えた才媛の令嬢。そのご学友として育てられた多肉植物フェチの婿になった養子と、その夫婦の養子、育ての親である家政婦さんあたりがメイン。
死を宣告されながら生き続けている特別な女と、彼女の周りにいること、また、過去の事件で死を身近に感じなければならない人たちの心境が、セレブらしい奇矯な行動の裏にちゃんと見えて、物語的に悪くない厚みが感じられる。
こういう生まれのヒトがこういう背景を持つと、こういう生き方になるのかもしれないなあ、という感覚で。
それに一般人が関わると、関われた事自体に感謝して、出来ることをやろうと思えるというのも、わかるし。
無茶なことをやっているうえで、その無茶が納得出来るというのは読者として良い感覚ですよ。
金持ちで有能な人物が何人も出てくるが、それがちゃんと有能らしく書かれているところも、また良かったです。