【感想・ネタバレ】宮廷医女の推理譚のレビュー

あらすじ

1758年、朝鮮王朝期。18歳のベクヒョンは、難関試験を突破し王族を診察する内医女(ネイニョ)になった。だがある夜、ベクヒョンが医術を学んだ恵民署(ヘミンソ)で、4人の女性が殺害される。3人は医女、最後のひとりは外出を禁じられている宮廷女官だった。事件を捜査する捕盗庁(ポドチョン)の役人は、怪しい供述をしたベクヒョンの師、ジョンスを殺人犯と断定した。彼女が犯人だと信じられないベクヒョンは、独自に事件を調べはじめ、捕盗庁の青年オジンの協力を得る。師の処刑を防ぐために、なんとしても真相を解明しなければ――。聡明な医女が謎解きに挑む爽快なミステリ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2025年の35冊目は、ジューン・ハーの「宮廷医女の推理譚」です。2023年のアメリカ探偵作家クラブ賞YA部門受賞作です。読書の舞台は、1944年のサンフランシスコから1785年の朝鮮国、英祖王の時代に飛びます。この身軽さが読書の魅力の1つだと思います。
韓国を舞台とした歴史小説を初めて読みましたが、テレビドラマで馴染みが有るせいか、割りとすんなりと物語に入り込めました。朝鮮国特有の固有名詞に関しても用語集が巻頭に付いていますので、見返しながら読み進める事が出来ます。
テイスト的には、ホリー・ジャクソンの作品に近いと思います。主人公も18才の内医女ベクヒョンと同い年の捕盗庁の従事官ソ・オジンと似通っています。
実在する英祖王の世子(荘献世子)が登場し、彼の悲劇的とも評される人物像が、物語・事件の大きな鍵を握っています。ミステリーとしても水準以上だと思いますし、アメリカ探偵作家クラブ賞YA部門受賞というのも頷けます。
☆4.6

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2025年10月02日

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