あらすじ
単位にならないのに学生が
殺到する伝説の講義、
世界初の書籍化!
イギリス名門校ブリストル大学の
500人教室・異例の超満員授業
「The Science of Happiness」。
授業終了後に受講生の幸福度が
実際に高まる、
発達心理学の見地で導く
新しい幸福論。
競争も協調も求められる現代。
「自己重要感が足を引っ張っている感覚はある。
けれど、協調もどこか苦しい」
そんな学生たちに発達心理学教授が渡す
人生に最上級に響く教え。
(本書の内容)
序章 人生の難題
――「競争に勝ちながら、仲間の和を大切にせよ」
Lesson1 自己重要感
――「自分」はどうつくられる?
Lesson2 交流
――人間にとって最も大事な感覚とは?
Lesson3 比較
――比べると知覚が歪む
Lesson4 傾向
――楽観・悲観・思い込み
Lesson5 注意
――想像の世界を漂わないために
Lesson6 他者存在
――「自分は人に好かれない」と皆が思うが、大体誤解
Lesson7 自分中心から抜け出す
――自分を広げる
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
レッスン1 自己重要感
「重要なのは何が起こったかではなく、それにどう反応するかだ」哲学者エピクテトス(古代ギリシア)
「私はあなたにこうだと思われていると思っている人間なのだ」社会学者クーリー
想像に合わせて常に自分を絶えず変えていくことになる
自己は他者というゴーストライターによって描かれている
自己感覚は 意識的な経験を記録して「記憶」として保持したり、思考を整理したり人と交流したりするのに役立つ
自己は「錯覚」
自己は固定されたものではなく、私たちは自分の考えや行動などを絶えず意識的に自己評価し、これまでの人生で経験してきたことを蓄積することによって、常に自己というものをつくりあげている
主観的自己(自覚する意識 心の中の世界)と客観的自己(知識や記憶をもとに「自分はこういう人間だ」と客観的に捉える自己像)
レッスン1
日記を書き 昔の日記を読み返そう
今の自分の変化を自覚し 昔の悩みや心配を乗り越えたことを実感しよう
レッスン2 交流
大きな脳のエネルギー配分
人間は動物界で最も幼児期が長い種だ。これは体の大きさに対して最も大きい脳を持つためである。(体重比で哺乳類平均の7倍)
脳は大量の代謝資源を必要とする。
生後数年はエネルギー資源の大半が脳に向けらる。(新生児の脳は全体重の10% 大人は2%)
この差は生後6〜7年でほぼ埋まり、生まれた頃の3倍の大きさになっている。
それ以降は 脳のエネルギー欲求が低下するにつれ、身体に向けられるエネルギーが増え、体の成長が加速する。
大きな脳→出産困難(チンパンジーは1人で2時間でほぼ痛みも苦しみもなく産む)
祖母の出現が 人間の寿命を伸ばした(数理モデル解析) 出産介助 育児支援などか
協力的な人々が子孫を多く残し、社会的行動が確立する確率を高めた。
社会性 生後6ヶ月までが特に重要(ルーマニア孤児院研究)
社会的孤立と孤独は肥満や1日15本以上の喫煙などの不健康要因より、さらに大きなリスク要因
ソーシャルメディアは「火」
ほどよい距離なら温かい気持ち 近づきすぎるとやけど
「他人の意見を気にしすぎると 必要以上に他人を重視してしまう」哲学者ショーペンハウアー(ドイツ)
レッスン2
人との関係を育むことに時間をかけよう
思いつきの新設をしよう
ソーシャルメディアを1日おやすみしよう
レッスン3 比較(比べると知覚が歪む)
全てが見かけ通りと限らない
「真実」は主観的なもの。全体像を見ることは不可能なのだ
幸福感は主観的なもの。「誰」「いつの自分」と比べるか次第
求めていたものを手に入れるとそれほど幸せを感じられなくなる
脳の基本構成要素のニューロンの基本的メカニズムは「比較」
同じか違うか。
味や痛みは 直前に何をしていたかで変化する
幸福度を上げるための脳のバグを利用したハック→感謝する 人生の良い面に目が向く。下方比較で順応が抑えられる
「順応」脳の無視する力(ニューロンは同じ信号を繰り返し受け続けると慣れる)脳は変化を検知するようにできている
↓
幸せを最大化するためには、今していることを深く意識して味わってみよう(セイバリング)
レッスン3 幸せエクササイズ
感謝したいことを書き出そう
セイバリングを実施して今の喜びをゆっくり楽しもう
レッスン4 傾向
「私たちは苦痛を感じるが、苦痛の不在は感じない」ショーペンハウアー
変化した時に気づく
レッスン5 注意
マインドワンダリング
人間が計画を立てられるようになったのは、脳が「予測装置」として進化したから。
19世紀 余暇革命
1870 平均労働時間60〜70時間 現代 30〜40時間(週)
1日の活動の半分近くを今やっていること以外のことを考えて過ごしている。マインドワンダリングしている。その後幸福度が低下する傾向
自然の中を1時間歩くだけで扁桃体の活動が低下
週2時間自然の中で過ごすだけで健康やウェルビーイングが高まる(2時間以上でもそれ以上の効果は得られない)
自然環境は集中力を回復させる。マインドワンダリングも減少
(都会居住者の心が彷徨いがちなのは、環境を知り尽くしているから)
レッスン5 幸せエクササイズ
自分と距離を置こう 非一人称を使って状況を捉えよう
レッスン6 他者存在
育児やペットの世話は相手が話せないから、必然的に他者中心的に物を見る
人間の脳も共鳴する。映画を一緒に見ている人の脳内で神経細胞の同時発火が見られる
同期化 話し手と聞き手
共同作業はエンドルフィンが出る コルチゾールを抑制する効果もある
同期化は自分と相手の境界がぼやけ、集団との一体感が生まれる
自己中心的な視点から 他者中心的な視点にシフトする
レッスン7 自分中心から抜け出す