【感想・ネタバレ】推定無罪(下)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 古典の名作と言われるだけあって、とっても面白かった。事件が起こるまでに、人物関係を細かく描いており、主人公が被疑者となってからは息詰まる法廷戦、その合間に描かれる心理描写や家庭の様子など絶妙のタイミングで描いており、一気に読めてしまった。

 主人公が被疑者として疑われるのも、良いタイミングでとっても面白かった。また、最後まで新犯人の描写がないのもドキドキできて面白かった。途中で、判事の暗い過去や検事との収賄など疑う要素ばっちりの描写をしているにもかかわらず、それを上回るどんでん返しの犯人描写にはびっくりさせられた。

 さらに、出てくる登場人物一人一人が面白いキャラをつくっており、しかも、読み手によっても変わってくるのが、この人の小説の特徴なんだろうと思った。たとえば、弁護士のスターンにしても、自身の出世を望みつつも主人公を助け、さらに真犯人に気づいていたとしても、主人公のために違う戦略を考えてあげる優しさをもっている人物とも読めた。反対に、その戦略を主人公に悟らせることによって、弱みを握り、自分の出世につなげようとする巧妙なやつとも読めるのが、とっても面白かった。

 また、リップランザー刑事も、最初はただの主人公びいきの刑事として描かれているともったが、最後の推理の鋭さからすべて計算された発言だった、と思えるのが面白かった。

【2019.02.21】再読
1回目に読んだ時も恋愛描写がたくさんあることに驚いた。精神科医への告白で不倫の現場を描く等々驚くことが多かった。

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2012年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

屁理屈(?)とも思える法廷合戦がとにかく秀逸!
自分が陪審員ならサビッチ氏を無罪とするが、本当に白なのかという疑問をもたせつつ、一気に読まされてしまった。

面白いだけでなく、役にたつ。
推定無罪の被告人に対して、検察側は推論を挟まず、事実確認を積み上げて有罪とするという、全く基本的な法務の基礎概念がよ~く判る!!
最近導入された裁判員制度では、予測を交えずに事実のみによって判断するというのは、本当に可能なのか?
検察官、弁護人の答弁に誘導される可能性も否定できない。

小説の中では面白い出来事だが、現実問題として考えると負担が大きすぎる。

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2012年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前半よりは後半の方が圧倒的に面白かったです。
やはり法廷モノが好きなので、弁護側と検察側の駆け引き、それから判事との駆け引きも面白かったです。

ただ、結局この話全員何かしらの罪、または闇を持ってるんですね。
不倫した主人公を筆頭に、殺された被害者、野心家のニコ、その部下のモルト、スーパー嫌な奴ドクタークマガイ、12年も誠実に仕えたのに手のひらを返したレイモンド、公明正大な判決を出すと思っていたラレン判事も、証拠を隠したリップも、判事に身を守る機会を与えた弁護士サンディも、そしてもちろん犯人も・・・。
勧善懲悪とか絶対悪の闇に穢れない完璧な人を求めているわけじゃないけれど、こんなにもみんな何かを隠していると思うと何か寂しくなりますね。
それが人間って事なのか。
それでもこの判決で正義がなされた(結果として誰かの保身の為であったとしても)だけマシということでしょうか・・・。

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2013年06月04日

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