あらすじ
『オニババ化する女たち』から8年、不機嫌な夫婦が増えている。男女ともに駆り立てられるように働き、セックスする余裕もないほど疲れて、ギスギスする家庭。草食男子も晩婚・非婚の流れも、全ては家庭の問題に直結している。本当に幸せな生活とは何かを鋭く問う。
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Posted by ブクログ
こんなタイトルだけど、全然夫婦の話ではありません。サブタイトルの「なぜ女たちは「本能」を忘れたのか」にあらわされるように、女性の「本能」にもう一度着目し、大切にしようではないか…的な内容です。「母性主義」とかいうらしい。
もちろん、女性の社会進出を否定するものでも、男女同権を否定するものでもない。が、母乳育児を推奨したりするとそれを「母性を強制するのか!」などと批判する声が上がり、これまで女性が担ってきた仕事の価値を、逆に貶めたりする風潮に疑問を呈している。おむつなし育児が推奨されれば、「おむつなし育児を推奨することで女性の負担を増やしている!」とか。いやいや、夫婦でおむつなし育児をすればいいだけやし?紙おむつが当たり前の時代ってどうなん?みたいな。
個人的には、最近フェミニズム系の文学や新書ばかり読んでしまっていたので、真逆な方向で良かった。
私の人生のモットーは「中庸」なので、極端なフェミニズムに偏らないようにしなければ。
以下引用↓
女性解放の様々な運動のなかで、女性ももっとのびのびと自分の性欲をあらわしてよいのだ、という話題もずいぶんあったと思うのですが、それはどうも、生命継続への希求というせつなさや、男という異性を楽しむおおらかさにつながっていかず、どうしてもこの近代的文脈のなかでは、「産まないことも女性の権利」「一人で生きることが自立」「多様な性をみとめ、セクシャルマイノリティを排除しないこと」などの議論が先に立つことになっていきました。それは時代の文脈で必要なことではあったのですが、人間が生物として生きる礎であろう「次の世代を産むこと」「ひとりでは生きられないこと」「マジョリティーとしての世代継承を前提としたヘテロの性のありよう」の価値を、保守的である、おくれたことである、と、切り捨てる雰囲気を作ってしまったことは逆に女性のもつ本来の力を埋もれさせることにもなり、また、女性たち自身を苦しくさせることにもなった、と感じてもいます。
↑この部分、すごく納得するな。
私は男性と対等な職場で20年以上働いてきて、とても苦労してきたけれど、仕事での自己実現とは別に、やはり子どもを産み育てたことは(まだ育て途中だけど)かけがえがなく、どうあがいても男性にはできないことを私はしたのだ、という誇りもある。これは価値あることに違いない。しかし、結婚しない・子どもをもたないという女性も多い職場だから、「子どもを産み育てるって素晴らしい経験よ」なんて、言ってはいけない…という雰囲気はある。
幸い、今の職場は小さい子を育てている職員が男女とわず非常に多く、子どもを産み育てることをみんなで支えている雰囲気があって良い。
最後の方は懐古主義みたいな、「昔はどの家にも井戸があったから、災害で水道が止まっても困らなかった」「汲み取り式の便所は水を大量に使わないから良い」みたいな話になってきてちょっと極端だとは思ったが。オムツがなくても大丈夫、ナプキンがなくても大丈夫(今のような便利なナプキンが出回り始めたのはほんの数十年前からだ…その前は、女性はナプキンなんてものはなくても、経血を自分で止めていたのだ)、というような話も出てきて。ちなみに私、↑これできるわ笑。ふふふ。