あらすじ
元娼夫で現魔術師であるサラが、久しぶりに帰郷したある日。サラはファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者より大元帥に仕えるよう命じられ、半ば連れ去られるように彼のもとへ赴く。命令の内容とは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。魔狼の血を引くロイと体を重ねられる希少な人間として、サラに白羽の矢が立ったのだ。しかし、その命令はロイの意志に反して下されたようで、彼はサラを穢らわしい娼夫と蔑み、冷たい態度を取る。──サラこそが、ロイの亡くした妻であると気づかずに。「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」 ※電子版は単行本をもとに編集しています
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茫然
茫然というか陶然というか。愛のスケールが違いました。最後、涙があふれて止まらなくなり。途中まどろっこしく感じていた部分もちゃんと理由があってでした。切なくて、苦しくて、でも甘くて。読んでよかったです。軽いラブラブいちゃいちゃ本ではなかったけれどしばらく余韻に浸っていたい素敵な物語でした。途中で止めずぜひ最後まで読んでみて欲しいです
序盤で亡くした妻の記憶を失っていることがわかるのですが、そこから2人の馴れ初めや何故記憶を無くしたのか読み進めていくと、キューっとする気持ちが味わえます。最後まで愛に溢れたお話でした。
Posted by ブクログ
先生の作品はとにかく惹き込まれれます。
複雑な事情、それぞれの感情が絡みそれが明らかにされていく過程など、とにかく凄いです。
元娼夫で今は魔魔術師のサラは王国軍の大元帥であるロイ・オークランスを癒す役を命じられ、けれど会った途端に汚らわしいと蔑み冷たい態度。
そこからのサラの苦しいさが何故なのか、が実はロイの亡くなった妻が自分であり複雑な事情がある事がわかってくると胸が苦しくなりました。
ロイの傍らに寄り添うオーラの存在、オーラの態度が初めはサラへの嫉妬かと思っていたら全く違っていたのには驚きで。
ある事でオーラを守ったサラに態度がガラリと変わったロイ。
そこからのロイのサラへの優しさにサラの傷ついた心も癒されてきたところでのまたもや訪れた恐怖。
『イージェン』これにより感情、2度使うことで記憶を無くす事が出来る、この話の要。
ロイを助ける為、ロイの為に『イージェン』を使うサラ。
ロイもサラを助ける為、サラの為に『イージェン』を使う。
ただロイは2度使う事で『イージェン』によりサラに関する記憶をも無くしていた。
ロイの元を去り数年経ち、イージェンの効き目が切れるから再びイージェンを使うために向かった先での思い掛けないロイとの再会。
ここの場面、もうこんな辛く、悲しい想いをしたけれどかつてのロイが「又サラを好きになる」の言葉通りにサラを愛してくれたのには涙が止まりませんでした。
サラを襲っていた恐怖を無くしサラを幸せに、サラと共に幸せになる為にと、頑張ったロイ。
どうかこれから先は離れることなく笑顔で幸せに生きて行って欲しいと願わずにはいられませんでした。
特典ペーパー
コミコミ版はロイの「思い出したいなぁ」が悲しそうではない言葉で、サラの過去のロイへ語りかけるのが良かったです。
書店版はサラとオーラにヤキモチ妬く?ロイが可愛かったです。
Posted by ブクログ
記憶喪失もの。
冒頭、誰かの記憶が消えるところから始まって、序盤、前後関係がよく分からない展開で読み辛かったのですが…。だんだん謎が明かされていくと、どんどんのめり込んでいきました。戦争ものなので、シリアスだし痛々しい所もありますが、メインは二人の純愛。
忘れてもまた恋をする、っていうの、すき。
タイトル、本編をキュッと縮めた感じなんだけど、ネタバレ満載。
この作家さんの作品はどれも切ない。
今回の主人公、過去がめちゃくちゃ重い。
実はこう言う事だった
が、何度も来るし…
これ最後は本当にハッピーエンドなんですよね!?
もう一度読まないとちょっと頭の中がごちゃごちゃかも…
深すぎる愛の物語
中盤まではかなり難解な作品。
サラ、ロイ、オーラの過去の関係や抱える事情、この世界の世情などあらゆる設定が分かりにくく、好きな作家様の新刊ではありますが即ポチを躊躇う難解さでした。
試し読みして悩み、試し読み増量版を読んで悩み...。まあ、結局買いましたけども。
この作品の真価は中盤以降になってようやく発揮されます。
イージェンの本当の効果、サラの過去などが明かされてようやく輝く物語。
第6章でハッピーエンドでも不自然ではないですが、更にその裏が第7章で明かされます。
これがもう、切なさMAX!
序盤の分かりにくさなど忘却の彼方です。
最後に残ったのは深すぎる愛の物語という印象のみ。
なかなかの感動巨編ぶりでした。