あらすじ
ゴンクール賞受賞! フランスの衰えた町で未来を渇望する少年たちを描いた青春小説
一九九二年、東フランスの錆びれた町。外の世界を求める十四歳のアントニーは、盗んだカヌーでたどり着いたビーチで少女と出会う。その出会いは彼の世界を一変させた……かつて製鉄で栄えた「限界都市」に生まれた少年の八年間の青春を描く、ゴンクール賞受賞作。
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Posted by ブクログ
1992年から98年までのフランス東部、製鉄業が主産業だったフランス版ラスト・ベルトにあたる片田舎の、少年・少女の物語だ。出自で子どもたちの未来は決まったも同然で、階層の中で多少の浮沈は見込めるが、階層を飛び越えることは難しい。社会を動かす主流には乗れないフランスの少年・少女たちの現実が、彼らの成長を通して描写される。
日本でも進学する高校、大学で将来の可能性が決まってくるが、フランスでも同じだ。彼ら、彼女らは与えられた条件の中で奮闘する。主人公の少年の成長譚は14歳の夏から18歳の夏までで、最終的に軍隊をけがで除隊し、地元に帰ってくるが、何者にもなっていないし、何者かになれる見通しもない。
家庭を持ち、家を買い、ツールドフランスに興奮しながら酒を飲む労働者だった父親世代と比べても、将来それ以上の暮らしができる想像ができない。事象に文化の差こそあれ、日本の田舎のヤンキー文化を活写されているようで、辛い。
原題は『彼らのあとの、その子どもたち』という。階級の再生産を含んだタイトルで、僕は原題のほうが良いと思う。読めば理解できるとは言え、邦題の『最果ての子供たち』では田舎の生活感しか出ていないのではないかと思う。
Posted by ブクログ
フランス東部の衰退した工業都市を舞台に、1990年代の青春を描いた作品。ある程度知っている人でもフランス東部と聞いてせいぜい思い浮かぶのはワイン産地のブドウ畑か木組みの家が並ぶ観光地の街だろう。ここは寂れて退屈なフランスの田舎町。乗り越えがたい階層格差の中で、酒、ドラッグ、暴力などの痛みを抱えながら、若者たちは大人になっていく。見て見ぬふりをするどころか、見に行こうともしない世界をリアルに体験できる読書となった。
Posted by ブクログ
時代背景など、事前知識があるともうちょっと読み込めたかな、とは思ったが、読み終えてみてフランスがとても身近に感じた。
登場人物みんなに、それぞれ共感できるところがあって、作者はよく観察できているな、と感心した。
それにしても、洋書あるあるだが、全ページ老若男女問わず誰かしら薬か酒飲んでて、やっぱり治安悪すぎて怖かった…。
Posted by ブクログ
時代設定に心惹かれて読んだ。14歳が主人公だけど、内容は日本だと高校生や大学生向けかなと感じます。90年代の外国でリアルな子どもたちの生活が垣間見えておもしろかったです。