あらすじ
政治や選挙のニュースを見ていて気になる「これって法的にどうなの?」を人気弁護士が解説! 2024年前半に、自民党派閥の裏金疑惑で政治の世界が大きく揺れ、「政治資金規正法」が改正されました。また、同年7月の東京都知事選挙、11月の兵庫県知事選挙など、各地の選挙でさまざまな問題が起こり「公職選挙法」に注目が集まっています。しかし、こうした政治にまつわる法律は、一般市民にとっては謎が多い世界で、本を読んで勉強したくてもなかなか手が出ない値段であるうえに、ひとりで読み込んで理解するのは困難です。そこで、比較的手に取りやすい「新書」として本書が登場! 日々のニュースで気になる、「政治資金パーティー券って、なに?」「裏金に税金はかからないのか?」「SNSでデマを拡散するのは、法的にはどうなのか?」などという疑問にこたえる、手軽に学べる一冊です。
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Posted by ブクログ
昨今の裏金問題やら、兵庫県知事選のPR会社のSNS運用問題などのニュースには
興味をもって接していたのだが、うわっつらしかわかっていない、ということが
この新書を読んでよくわかった。
PR会社の活動の何がいけないか、根本的にはわかっていなかった。
この新書では、
公職選挙法、政治資金規正法、政党助成法、刑法、国会法、地方自治法)と、これらの法律の大前提となる日本国憲法を「政治六法」と呼んでいる。
著者の造語だ。
しかしこれらを読み込むと、選挙の何たるものかがよくわかる。
政治活動との違いのグレーさもわかる。
前述のPR会社は、SNSでの運動を、当初は有償で請け負ったように
Noteに書いていた。これは公職選挙法に触れるのだ。
でもなんで?政治には金がかかる、だから裏金も作る、政治献金も受ける、
政党助成金ももらう、そんな金まみれが当たり前の政治で、
なんでPR会社が選挙を有償でてつだってはいけないのか、ぴんと来てなかった。
それは、公職選挙法は、金持ちが勝つ選挙を許さない、という建前で成り立っている
からなのだ。
使っていい金を極端に制限し、平等に、政策論争だけで選挙戦を戦う、
そういう建前なのだ。
だから、PR会社にお金を出して手伝ってもらってはいけないのだ。
・・・裁判では結局払ったのはポスター代であって、SNS活動費ではない、
ということになって無罪になりそうだが、そんなわけはない。
そもそも選挙活動期間中だけを平等にしたって、
日ごろの活動の資金の有無で数年に一度の選挙にはえらい差が出る。
そもそも無所属には政党助成金なんてないのだから。
なんだか建前が先行しているのが法律。
しかし著者はそれは民主主義の宿命といっている。
ことが起こって矛盾が生じてしばらくしてやっと法が変わる。
すぐ変わるのは独裁国家。かえって危ないと。
しかしそれにしても日本は変わらなさすぎ。
今回疑問に思ったのも、SNSが、ネットが選挙に使われなさすぎるから。
相変わらずべニア版に候補者のポスター、街宣車での選挙活動、はがき、ちらし、、
古すぎ。
でも変わらない。
そんな中でサイバーゼネコンによってマイナンバーカードのような仕組みだけが
先行する。あの使い勝手の悪さ。おそろしいほど。
保険証はマイナ化するが、なんとか手当は相変わらず紐づかない。
アー歯がゆい。
法律を理解したうえで、法律を作り直さなくてはいけない。
私は憲法も作り直すべきだと思っている。
それは9条がどうのじゃなくて、80年たって現代とそぐわない点が増えているから。
解釈できない日本語が増えているから。
無理だよそんなふるいことば。
ルールの精神は守りつつ、ルールは変えていかないと。
第1章 法律以前の「超基本」まずこれだけは!―ルールが多いのには、ちゃんと理由がある
(法律って、なんのためにあるんですか?「あれもダメこれもダメ」って人間を縛るためですか?;どうして選挙のルールってこんなに厳しいんですか? ほか)
第2章 まさか私が!?もし立候補するとしたら―選挙がはじまる前の準備、これだけは
(「もし立候補したら、と想像してみて」と言いますが、一般人が立候補なんて無理ゲーでは?;18歳で投票できるのに立候補はできないって、おかしくないですか? ほか)
第3章 選挙中にやっていいこと・ダメなこと―宣伝・スタッフ・お金のルール、これだけは
(いよいよ告示日。候補者は日付が変わった0時から「投票して!」と宣伝を始めていいんですか?;1万か所以上もの掲示板に初日でポスターを貼り終えちゃう候補者って、どうやっているんですか? ほか)
第4章 ついに当選!議員バッジをつけるとき―議員活動とお金のルール、これだけは
(そもそもの疑問ですけど、当選後は何をしてるんですか?国会で寝てる人もいて信じられないんですが!;政治資金規正法って、どんなお金を、どのように「規正」しているんですか? ほか)
Posted by ブクログ
政治について知らない私からすると「自分が立候補したら」を考えて法律を知る視点はとても面白かった。難しい言葉選びはせずに説明してくれるのでわかりやすい。条文とか出てくるけど、解説もわかりやすい。何度か読み返して学びたい一冊。