あらすじ
とある週末、一人の紳士が高級レストラン「レカン」を訪れた。同店に勤めていた著者は、紳士を見てすぐに気づいた。「十年ほど前、当時勤めていた『マキシム』に来て下さったお客様だ」――。なぜ著者は、十年前のお客様を忘れなかったのか?フランス最高峰のレストラン「ロブション」の日本第一号店の初代総支配人を務めるなど、日本を代表するサービスのプロが、自ら目指してきた「世界一のサービス」の神髄を語る。さらに、自身が審査員を務めたサービスの世界コンクールも紹介。超一流のサービスに必要な習慣、能力、思想とは?(目次より)◎「少々お待ちください」はサービスとは言わない ◎私が憤ったマニュアル通りのサービス ◎お客様の意識の揺らぎに反応する ◎四日間の売り上げが2000万円 ◎まずは掃除から始まる ◎感動していただけるサービス ◎世界一の審査員たち
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Posted by ブクログ
いきなりサービスとは何かを考えなくてはならなくなり、検索からこの本に出会った。サービスの宮崎辰さんが一流だと聞いたからだ。
非常に興味深く、面白かった。
サービスはやはり大事だと思った。一流のフレンチで提供している技術を真似できるところが多々あり、真似してみよっと思った。
そして、童心に帰った。
なぜなら、デクパージュの詳細な表現、そしておそらく80年代から90年代の華やかな時期のレストランの描写がまだ見ぬ世界への想像力を掻き立て、とてもとてもわくわくした。
時代錯誤のような発言に近いと感じるものもあったが、昔の時代を生きた人と思えばあまり気にならなかった。
作中のお店を検索すると、まだ閉店していないお店もたくさんあり、その煌びやかな感じにとても圧倒された。特にフランスのMaxim’sは圧倒的だった。いってみたい、、!
普段、サービスを受ける側としてよいサービスを受けた時にさりげなく「よかったです」と言えるようになりたいお思った。
サービスについて考えることは今後ないかもしれないし、どっぷりたくさん本を読んで考えてみようと思う。
Posted by ブクログ
マキシムドパリ、ロブションの総支配人によるサービスの真髄。お客様目線で、美しい完璧なサービスを行うこと。情報を集め、そこからクリエイティブにサービスを考える。
店に着いたときに、少々お待ちください。と言われたら終わり。予約時に名前を伝えているのに、知らない、待たされる。お待たせしましたは、サービスではないという証拠。なるほどなと思った。
マニュアル通りのサービスは衰退する。確かに、マニュアルがあることで、自分で考えて最良のサービスを提供する気持ちや意識がなくなってしまう。怒られない方法は、マニュアル通りやることだからだ。営業の現場もそうだろう。何かを売ってこいと言われるのが一番楽だ。売れなければ、売ってこいと言った人が悪いと言い訳可能だから。一方で、何でも良いから稼げが難度の高い営業。コンサルや金融が高い給料をもらえる所以でもある。
奥深いサービスの世界。一流のサービスは「哲学」であるという言葉にもあるが、まだまだ学ぶべきことがあるなと。
Posted by ブクログ
サービスはチームワークであり、サービスマンと客が協同で作り上げ高めていくものであり、そしてサービスマンの総合的な「人間力」が問われるものであることを教えてくれる本。何となく演劇論に通じるものがあると思ってしまった。本書で紹介されているマキシム・ド・パリのアルベール支配人の「ミシュランの星など結構です。当店はレストランではなく劇場ですから」の言葉は言い得て妙である。
Posted by ブクログ
■サービス
A.予約客の来店時に、少々お待ち下さいはサービスとはいわない。
予約するということは、店を選び、信頼し、胸踊らせながら足を運ぶこと。
そのゲストに対して、何よりも「お待ちしておりました」の言葉がなかったら、店側の歓待の意は伝わりません。
B.常に人から見られているという意識を持つ。
C.お客さんが一番嫌がられるのは放置されてしまうこと。
無視されること。逆に最も嬉しいのは「覚えていれもらえること」。
D.振る舞いは客からも学ぶ。
Posted by ブクログ
指南をするだけの本より、著者の体験に基づく内容の
本を読んだ方が遥かに説得力がある。この本はその顕著な例。
「組織」が邪魔をしてサービスの限界を感じている人は多いはず。
そのわだかまりを取り去るには、フリーになったり、
起業したり、転職したり、でも二の足を踏む人も多い現実。
本来なら、オーナー(or店長)ではなく、
現場の責任者(ホール長など)にサービスの決裁の権限を与えるのが
サービス企業の真の姿だな、と感じました。
マニュアルがあるからこそ、サービスに限界を
作ってしまっている現実を打破しないといけませんね。
サービス業従事者だけでなく、
管理者側も読むと良い勉強になる本です。