【感想・ネタバレ】兵士たちの戦場 体験と記憶の歴史化のレビュー

あらすじ

アジア太平洋戦争を経験した兵士たちのほとんどが鬼籍に入った.彼らが体験し,記憶として伝えようとした戦場とは一体どのようなものだったのだろうか.中国への侵略に始まり太平洋や東南アジアに戦線を広げながら破局にいたる戦局を辿りつつ,兵士たちの残した膨大な体験記をもとに,戦場の実態を描き出す.解説・久保田貢

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Posted by ブクログ

 戦後80年の節目の年に、2015年に岩波書店より刊行された「シリーズ戦争の経験を問う」に加筆した書籍が岩波現代文庫より刊行された。1931年の満州事変(柳条湖事件)から日中15年戦争が始まり、1941年の対英米蘭などへの戦争は、アジア・太平洋戦争へと拡大した。戦争の記憶の希薄化が顕著となり、戦争の「体験」、「証言」、「記憶」の継承は難しく、忘却・消滅の危機に瀕していることが危惧される。本書は100名、845点の戦争体験者の回想録・エゴドキュメントを、歴史経過にあわせて点描的歴史叙述でまとめた書籍であり、実にリアルである。零戦(零式艦上戦闘機)撃墜王と呼ばれた岩本徹三などの著名人はじめ、将校から一般の兵士、日赤看護婦などの体験が時事刻々と綴られる。各戦闘のターニングポイントで何が起き、兵士は何を感じたか。戦争全体に波及した戦局や日本国内の情勢も踏まえ、先の15年戦争全体を俯瞰して学ぶことができる歴史教科書でもある。

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2026年05月29日

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