【感想・ネタバレ】亡国のイージス(下)のレビュー

どうすれば20代でこんな骨太の長編が書けるのでしょうか。そして人の人生を語れるのでしょうか。読み進めながらそのことに感動します。映画化もされましたが、活字で想像を働かせた方がよほどスケールが大きく感じられる作品です。
登場人物の背景が印象的に描かれる前半から、それが徐々にクロスしていき、それぞれの時間を経過させてイージス艦「いそかぜ」に集められていく中盤が秀逸です。そして後半では、息をのむ緊張感の中での攻防を祈るように読み進めます。
この作品を追いかけるように拉致問題が明らかになり、領土問題が頻発し、日本人は「国」が何をしてくれるのかを問うようになっていきました。軍備拡張はイージス(=盾)に成り得るのか、逆に脅威になってしまうのか、この作品を読んでから真剣に考えてください!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

後半に入りどんどんハードな展開に。
ヨンファは勿論、艦長、士官は仕方ないが、
仙石、特に如月はどうなるのかと思ったが、
最後に目が潤む思いです。

0
2020年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

移ろい行く心情。いつだって発端は特別でもなんでもないようなことで。
武器説明は馴染みなく読みにくいが、精緻な描写はいとも簡単にその光景を描き出し映画でも見ている気分。洗練された優秀な工作員だけでなく、泥臭いたたき上げの先任伍長を主人公に据えることで現実味が加わっている。
なんど読んでも飽きることのなく、感動が溢れ大満足で閉じることの出来る良作。
個人的にDAISシリーズNo,1作品。

0
2013年04月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んだのは「川の深さは」や「Twelve Y.O.」を読む前。それでも、世界観には すんなりと入っていけましたね。

暗い過去を引きずる冷徹なマシンと化した少年と、真っ直ぐなベテラン軍人。ある意味ド直球な組合せでも、魅力十分な描き方で、ぐいぐいと引き込まれました。読み終えた後は、一本の壮大な映画を見終えたかのような感覚でしたね。

最後の最後まで手を抜かない緻密な構成から生まれる、手に汗を握る展開。読み始めると、もう止められません。

間違いなく、僕の人生で出会う中でも、上位に入るだろう作品です。

0
2020年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「よく見ろ、日本人。これが戦争だ」


福井晴敏著「亡国のイージス」。上巻から時間が空いてしまったのでテンションが下がりまくりだが意を決して下巻も読む。

日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞受賞のこの作品は「祖国とは何だ。そこに生きる人々は何だ。そしてお前は何をするのだ。」とストレートに訴えかけてくる。
しかし暑っ苦しいだけじゃなく、時に淡々と書かれる文章に余計に凄みが感じられる。だからこそ、作品半ばで登場人物が言うセリフ、「よく見ろ、日本人。これが戦争だ」が迫力を持つ。

戦争を放棄した日本は軍隊の保持を否定。しかし国を守る為の「自衛隊」の保持する。しかしその力は戦力となるのではないか-。自衛隊が抱える矛盾、そしてその矛盾に対して従わざる得ない人・矛盾を正す為に立ち上がる人・そして行動を起こせない日本国。

自衛隊を、守る対象を失った「亡国の盾(イージス)」と言いきった、重いテーマの本作品、それなのに読後感がいい。
よくよく考えれば国の問題なんて何も解決されてない。全て個人の幸せで全てが払拭されているが、それでもどうして後味がいいのだ。

上巻の途中まではなかなか物語が進まない。思わせぶりぶり、布石(ひっかけ)が続くので、読書慣れしてない人はこの辺りで落ちる可能性大。

でも、後半に入ると止まらない止まらない。「あ、やっぱりそうなる?」から「あ、そう来たか!」とひっくり返される事が続くのがとても気持ちいい。
もちろん「そ、そんな偶然が何回も起っていいわけ!?」とも思うんだけど。でもでも、それらを拭っても面白い!

0
2015年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

海上自衛隊のイージス艦艦長が、息子を殺された腹いせに、北朝鮮の工作員と組んで、東京に毒ガスをまこうとしたが、毒ガスはCIAのウソで、東京は無事だったよーん、という話。

0
2013年06月16日

「小説」ランキング