【感想・ネタバレ】大黒島のレビュー

あらすじ

銀行を辞め、湖に浮かぶ島にある小さな寺の執行(管理責任者)となった「ぼく」の元を、かつての同僚が訪ねてきた。「おまえの仲介で神仏の力を借りたい」と。「ぼく」は求めに応じ、護摩を焚き、30万円を受け取る。半年後、同僚の妻が来て金を返せという。夫はめでたく昇進したが、辞令が出た翌日、息子が事故で半身不随になったのだった……。姉妹編「オオクニヌシたち」と、「海の碧さに」の2篇を併録。

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Posted by ブクログ

紹介されないと読めない本では。このタイトル、装丁ではまず手に取らない。この本も譲り受けて読み始めたがこれがおおあたり、感謝です。
大黒島にあるお寺の住職の住職になるまでの身の上話から、祈りの成就屁の考察、また日本の宗教の発展の中での修験者たちと仏教の関係などを書いた第一話から、日本の初期国家形成時代の政争とその政敵を宗教を司るポジションに付けたという歴史考察らら現在の宗教への流れを研究する大学教授が大黒島で婚礼を上げ、関係を深め宗教の考察を深める第二話、サイパンに昭和天皇が訪れ万歳クリフで黙祷を捧げた様子をルポした雑誌記者が考察する、現人神だった天皇と玉砕を強いられたとはいえ自ら命を絶っていったサイパン在住の日本家族に触れている第三話と考えさせられるお話が詰まった短編集でした。広くおすすめではないですが、今後注目の作家です。

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2013年01月22日

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