【感想・ネタバレ】マリヤの賛歌のレビュー

あらすじ

「慰安婦」であったことを名乗り出た数少ない日本人として知られる城田すず子.一七歳で芸者屋に売られてから三四歳で婦人保護施設に入所するまで,私娼や「慰安婦」として戦中戦後を生き抜いた苦難の日々を自ら語った貴重な記録.戦時にとどまらない性搾取構造の問題への新たな視座を提供する解説(平井和子)を付して文庫化する.

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Posted by ブクログ

 従軍慰安婦問題は、1991年に韓国の金学順(キム・ハクスン)さんが実名で名乗り出て社会問題となり、1993年の内閣官房長官の河野談話や1995年の内閣総理大臣の村山談話などで、日本軍の強制性や戦時性奴隷・性暴力に対する事実を認め、日本政府としての公式な謝罪が行われた。以降、朝鮮をはじめ、中国、インドネシア、オランダなどのアジア太平洋全域に渡る国々の女性に対する慰安婦制度と戦時性暴力が明らかとなった。しかし、2000年代以降は歴史修正主義者などによるバックラッシュ(揺り戻し)により、産業慰安婦による自主的な買売春であって、従軍慰安婦(日本軍慰安婦)はなかったとする歴史の改竄(かいざん)が起こっている。
 日本国内の差別や偏見により、日本人女性が従軍慰安婦として名乗り出ることが皆無に等しい中で、1971年という早い時期に本書は出版されている。従軍慰安婦としての壮絶な体験、性病の罹患と治療、その後キリスト教に入信し、社会活動を通じて穏やかな生涯を閉じた著者城田すず子氏の軌跡である。今回は、戦後の占領軍向けにつくられたRAA(特殊慰安施設協会)に詳しい平井和子氏が解説を加え、戦後80年となる2025年6月に出版された。慰安婦問題は、朝鮮の人々の問題ではなく、日本人慰安婦が国内外に多数徴募・派出され、性奴隷・戦時性暴力として、男性の性のはけ口とされた事実を多くの日本人に知ってほしい。

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2026年02月04日

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