【感想・ネタバレ】創作のミライ 「初音ミク」が北海道から生まれたわけのレビュー

あらすじ

日本発の音楽文化として、世界で人気の「初音ミク」。このバーチャルなキャラクターを核に、音楽・イラスト・動画などが呼応し合うボカロ文化が2007年に産声を上げた。このブームに火を付けた企業が、クリプトン・フューチャー・メディアである。創業者の伊藤氏は企画開発のみならず、「創作の連鎖」を促すルールと仕組みを整えた。なぜ、それができたのか? そこにはUGC(ユーザー生成コンテンツ)文化の出現をいちはやく予見したA・トフラーとの出会いがあった――本書は伊藤氏の歩みをたどりながら、「ツクルを創る」「収穫モデル」「メタクリエイター」等々の経営哲学を紹介。「ボカロ文化って何?」という読者でも、創作の根源的な意味を考えたり、AI時代を展望したりするヒント満載の一冊。

序――ブームからカルチャーへ、そして……(柴 那典)
第一章 この先にどんな未来がやってくるのか
第二章 インターネットが世界を変えると気付いた日
第三章 すべてはクリエイターのために
第四章 初音ミクが切り拓いた新しい創作文化
第五章 プロシューマーは社会をどう変えるか
第六章 北海道から発信する意味
第七章 音楽文化とAIのこれから
第八章 「創る」ということ

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Posted by ブクログ

この本の聞き手・構成である柴 那典の講演会を聞きに行き、本書の存在を知りました。その前にNHKの新・プロジェクトXの『情熱の連鎖が生んだ音楽革命 〜初音ミク 誕生秘話〜』を見たことがその講演会に行ったきっかけでした。今年、2007年に「初音ミク」が発売されてから18年、ボーカロイドという存在が日本の生み出したクリエイティブとして知らぬ人はいない、という状態に入ったのかもしれません。そういえば米津玄師の「KICK BACK」がアメリカで日本語詞曲史上初のプラチナに認定されたというニュースも3日ほど前のもの。彼やYOASOBI、AdoなどボカロPやボーカロイドが生み出した仕組みから登場したアーティストの世界的な活躍をもってして「初音ミク」の物語もデジタルの世界から一斉に出てきたのかもしれません。今となっては無いことなど想像のできない「初音ミク」の0→1を丁寧に一歩一歩を語り起こしているのが本書です。新・プロジェクトXのドラマチックなナレーションでエピソードを語るのと違って、伊藤博之のやさしい言葉で、出来事というより彼の信じてきたことを紡いでいく、このスタイルは違った感動を与えてくれました。まさに『創作のミライ』を信じさせてくれる本でした。今、インターネットやデジタルの負の側面がからられることが増えてきましたが、インターネットができたた頃のポジティブでありサニーサイドな気分を思い出しました。いま自分がいる場所が決していい場所では無い、と思っている人に手にとって欲しいです。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ


若い頃に読んだトフラーの「第3の波」の影響を受けて、実際にその波に乗った初音ミクを創りあげた伊藤さんのお話し

創るって楽しい、人の本質は「創る」ということ
プロであれ、趣味であれ!
付加価値を生み出すのがデザインやプロデュースというクリエイティブな発想、付加価値をつける人こそがクリエイター
ピアノもエレキギターも出た当時は最新のテクノロジーだった

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2025年08月11日

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