【感想・ネタバレ】プラントハンターの野帳~台湾・植物見聞録~3巻のレビュー

あらすじ

「いつかこの手で、この台湾で、
新種を見つけるんだ!」
台湾人と日本人――
植物研究者たちの情熱溢れる人間ドラマ

1925年、台湾統治三十年記念博覧会――
植物園には希少な植物や研究標本が展示され、
採集人や研究者たちの日頃の豊かな成果が
そこかしこに満ち溢れていた。

大葉マホガニーの種子が風に舞い、
竜胆は小さくもその強靭さを示し、
白芨は傷の治癒を促す……
一つ一つの植物が、
それぞれに秘められた意味を宿しているかのようだ。

薬草堂の若旦那である涼山は、
腊葉館での仕事にますます習熟していく。
生活がようやく軌道に乗り始めた矢先、
父親との衝突は一層激しさを増し、
亡き妹への癒えぬ悲しみは、
未だ心の内で固く結ばれたままだった。

霧草は、見捨てられることへの恐怖という悪夢に苛まれながらも、
故郷への強い想いを胸に、それを前へ進む力へと変えていく。
理想を追い求め、全力を尽くしていた松尾は突然倒れてしまう……

賑やかな蝉の声が降り注ぐ夏のなか、
誰もが胸に様々な想いを抱え、
それぞれのドラマが静かに進行していく……

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