あらすじ
多くの企業が、就活生や若手社員に「主体的であること」を強く期待している。この傾向は小学校から大学まで、教育現場にも波及している。しかし、最長16年間も育まれたはずのこの資質は、「学生に不足していると思う能力」第1位として指摘され、企業内部においても世代間の大きなすれ違いを生んでいる。この本では「上司が評価してくれない」「若手は言われたことしかしない」といったお互いの不満を解消し、「主体性」という曖昧で便利な言葉に込められた意味を解き明かす。
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Posted by ブクログ
それまで「主体性」というと、「自主性」「当事者意識」「自己責任(感)」という文脈で語られることが多かったが、「発信」「協働」という文脈が加わったことが2020年代の主体性の特徴に見える。とは言え企業で求められる「主体性」は企業、上司にとって「都合の良い人材の持つ素養」であり、場面によって範囲が恣意的に変わることは「グローバル人材」の文脈で主体性が喧伝された2010年代から変わりないように思える。
だからこそ終章で語られるように主体性の意味を共有しその範囲内で主体性を涵養し発揮することが重要なのだろう。
本書は2020年代の主体性の意味を考える上でヒントとなるものである。