あらすじ
知り合ってご愁傷さん! あの世から出禁をくらった死ねない仙人、百暗桃弓木が奇跡の仲間たちと出くわす奇譚集、その道標が初登場! 『鬼灯の冷徹』であの世を描いた江口夏実が、“この世”を怪しく映し出す『出禁のモグラ』の決定版ガイドブック。登場キャラクターの詳細ガイドに10巻までの全話完全ストーリーガイド、さらに作中に登場する文学・ゲーム・映画作品の解説に著者インタビューも盛り込んだ読ませる一冊! アニメ『出禁のモグラ』のアレコレも、いろいろわかります。
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Posted by ブクログ
出禁のモグラ公式ファンブック「百暗現世道標」。
2025のアニメ化に合わせて発売です。
なんといっても作者江口夏美への制作秘話インタビューの読み応えが抜群。
『鬼灯の冷徹』で感じていたことではあるのですが、人間の悪意というものを戯画するのが上手いな、と。シュールやコメディにきちんと落とされていて、後味悪い時もあるけど基本的には、お天道様の下を歩いている作品だと思っていました。舞台は地獄だけど。
自作となる「出禁のモグラ」では戯画は継続しながらも、露悪さが増したと思っていました。少し先まで踏み込むよ、という宣言をされているように思います。八重ちゃんの島の話とかが、代表かなぁ。
どうしてそういう作風にしたのか、を知りたければインタビュー読みましょう。
作中の出来事が、何かしらの様々な怪談や神話・伝承、民俗学からヒントを得たものも多いのですが、それ以外にも数々のパロディやオマージュが散りばめられています。それらの解説ページも興味深い。こういう雑学エッセンスを読むたびに、映画に触れてこなかったなぁと感じてしまいます。そのジャンルの浅学さを思い知る。
シンプルにオタクとしての基礎知識、一般常識みたいなものが足りていない、というのはネットに触れることで否応なく思い知らされていますね。得意不得意はあるにしろ、これを知っていれば楽しめる、というチャンスは初見が最大快楽を得られると思うので、ちょっと損しているのだよなぁ、と思うのです。
詩魚ちゃんの域になるには、もう手遅れ。というか、あんな陽の気(筋肉)は持ち合わせてない。
悪意の気持ち悪さを、より具現化させてくる「出禁のモグラ」。悪意によって起きた事件を解決はするけど、全ては人生の一つの場面なのでこれを踏まえて日常は続くよということで、めでたしめでたしとしてくれないところも、悪意があるなぁと思います。多分にそこは偽悪なのかなとも思いますが。
果てがない物語になりそうな気もする、モグラの人生がどういう結末をむかえるのかが、不透明。刑期終了めでたしめでたしないだおろうしなぁ。
アニメも見てます。イケブクロさんが絶妙に怖くてイヤだけど好きです。