【感想・ネタバレ】異常気象の未来予測のレビュー

あらすじ

毎年のように猛暑・豪雨・豪雪が日本を襲い、異常気象が「普通」の時代に突入しています。現在の日本は四季がなくなり、夏と冬だけの「二季の国」となってしまったと感じている方は多いでしょう。その一因となっているのは二酸化炭素増加による地球温暖化です。このまま二酸化炭素を増やし続ければ、直ぐに地獄のような気候がやってきます。本書では異常気象や気候問題の現状と未来予測、温暖化対策について、解説します。

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Posted by ブクログ

■通常の偏西風の風速は、蛇行が西に伝播する速度よりも速い。この場合は東向きの偏西風による流れが蛇行波の西向きの伝播速度に勝る。そのため蛇行はすぐに東へ去り、異常気象は長続きしない。しかし、偏西風の風速が遅くなり、蛇行波の西に伝播する速度と同じになってしまうと、蛇行が同じ場所で長時間維持される。そして、結果として同一地点では同じような気象状態が延々と続き、異常気象が長引くことになる。それにより偏西風の速度が遅くなることが、異常気象が続く本当の理由。
■温室効果ガスの削減ができなかった場合、将来考えられる季節変化を列記。
・桜の開花の早期化
・梅雨入り前から猛暑
・梅雨の豪雨がひどくなる。
・梅雨の晴れ間は真夏並みの暑さ
・季節外れの梅雨の寒は減り、豪雨と猛暑へ極端化
・北海道にも梅雨が来る
・日本に冷夏は来ない
・夏は40度超えが当たり前
・夏は夜も蒸し暑い
・ゲリラ雷雨が増える
・ノロノロとした台風や強烈な台風が襲来
・厳しい残暑のまま10月でも暑い
・紅葉の遅延
・冬は平均的に気温は上がるが寒暖差が激しい
・時々来る大寒波で短時間にドカ雪と豪雪

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

偏西風や海流の蛇行、北極の海氷融解、二酸化炭素の排出といった言葉は断片的に耳にしていたが、この本を読んでそれぞれの因果関係をようやく把握した。
気象について体系的に学習する機会が無かったが、人口問題、交通問題、教育問題など、広く関連する分野と合わせて学びたくなるような興味をそそらせる学問である。
盤でいくつか述べられている「提言」も、友人たちとプチ議論するのに丁度よい題材だと思う。個人的に、標準時を前倒しにすることは賛成である。
もっと知りたいという好奇心、何かインセンティブをもたらす要素があれば、温暖化やSDG'sに対する意識も自ずと向上するのだろう。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

立花先生の解説は最近メディアでもよく聞くようになり、研究で活躍されている天野未空さん提唱の南北傾斜高気圧についても詳しく書かれている。全体的に見てもアカデミックなバックグラウンドがしっかりした未来予測になっているので、ストーリーに説得力がある。

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2025年08月31日

Posted by ブクログ

日々体感している気候変動。原因と先の見通しを、わかりやすく、読みやすく書いている。文字も大きいし、行間も広い。とにかく読みやすい。
内容もわかりやすい。地球上の気候のメカニズムから、今、私たちがどこまで追い詰められているのか、よくわかる。何かしなくてはいけないと思わされる本。中学校とかの読書感想文の課題図書にすべきではないか。

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2025年08月18日

Posted by ブクログ

 近年の気候は異常と感じる人は多いことだろうと思う。著者も言及しているが、日本で言えば明確に分かれた四季がなかなか観測されず、夏と冬が極端に長い「二季」のようになっていると言っても過言ではないだろう。
 本書の特色は、今までの異常気象や環境に関係する本とは一線を画している。異常気象を(ある程度)避けようがない事象として、その中でどう解決策を見出だしていくか、あるいは受け入れていくかという、やや異常気象フレンドリーとも言うべき視点に立っている。とはいえ、終末論や絶望論といった類いのものではなく、有限なリソースをどう割くことで現状を最適化できるのだろうかという現実論なので、読者も安心して読みすすめることができるだろう。
 異常気象による暗いニュースも多いが、本書を読んで、少し前向きに捉えることができるようになった。そういった意味で、面白い一冊となっている。

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

偏西風蛇行、海面水温上昇、黒潮大蛇行、が原因。
コメの収量が変化している。冷害に強いコメ作からの転換が必要。
温暖化の影響は特定地域を狙い撃ちする。
猛暑の原因は偏西風の蛇行。偏西風の北は寒気、南は暖気=太平洋高気圧。
高うの長さは数100キロ=日本とヨーロッパが同じ波動になる=日本とヨーロッパの猛暑は重なる。
偏西風は温度差が大きいと早くなる。蛇行が激しくなった原因は、北極の温暖化によって温度差が縮まったこと。
海面水温が28度を超えると、積乱雲が急激に発達し水温を下げる。=サーモスタット機能=熱帯特有の現象。
東へ進む偏西風の風速と、西に交代する波の伝播速度が等しいと見かけ上止まっている。
偏西風の凸の先端で途切れると、時計回りの風になりこれが高気圧になる=ブロッキング高気圧。凹の先端で切れると反時計回りになって低気圧になる=寒冷渦。これらは殆ど動かないので、異常気象に拍車をかける。猛暑が長引く、激しい雨、豪雪の原因。
一旦どこかでブロッキング高気圧が発生すると、世界規模で異常気象が連鎖する。
高気圧のほうが長続きする、寒冷渦は比較的短命。
異常気象は日本付近から始まる。
偏西風の激しい蛇行の一因が北極の温暖化加速。
蛇行には短周期と長周期があるため、3ヶ月予報は難しい。

海面水温上昇が秋を縮める=夏の異常気象が海を通じて秋の異常気象を呼ぶ、
海に貯熱しているので、気温は40度で済んでいる。
梅雨入りが遅れると、海に熱がたまる。海から猛暑と残暑がやってくる。
p72

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

昨今の異常気象や温暖化のメカニズムを、簡潔に、それでいてロジカルに説明していた。
本著は読みやすくとても勉強になる内容であったが、温暖化を引き起こす諸現象の原因が人間による温室効果ガスの排出によるものとしか説明されておらず、本当に人間の活動によるものなのか(少なからず影響はあると思うが、)についてはもう一段深く考えていきたいと思う。

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2025年09月06日

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