あらすじ
柏木夏美19歳。ロックバンド「ペルソナ・パラノイア」のギタリスト。男の目を釘付けにするルックスと天才的なギターの腕前の持ち主。いよいよメジャーデビューもという矢先、敬愛するボーカルの城戸薫が自殺してしまう。体には不審な傷。しかも、彼の名前は偽名だった。夏美は、薫の真実の貌を探す旅へと走り出す――。ロック&ガーリーな青春小説の新たな傑作!
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Posted by ブクログ
天才ギタリストである夏海が、薫という自殺したバンド仲間の人物像を探し求める話。
あらすじには青春小説と記載されているが、ミステリー要素も少なからず含まれている。
『疾風ガール』というタイトルは、音楽という舞台で天辺に向かって走り続ける夏海のことを指しているのだろう。しかし、私は、物語の後半で突然現れる麻紀こそが、「疾風ガール」と呼ぶにふさわしいと考えた。
夏海が輝くことで、周囲がどのような影響を受けるか。厳しい内容を伝えるだけ伝えると、麻紀は早々に去っていく。脇役なのだが、歯に衣着せぬ物言いで、大事なことを発信する彼女に、とても魅力を感じた。
Posted by ブクログ
4.4
ガール・ミーツ・ガールを先に読んでしまったのが悔やまれます。
この作品とセットになっていたというのを知らなくて、、
夏美がどうやってプロになっていったのかが、よく分かりました。
相変わらず誉田さんの女性キャラは魅力的です、引き込まれます。
自然な感じなんですよね、心の声もちょいちょい入っていて、それが笑えたりするし凄くしっくり来ます。
ガールミーツはまた再読してみようと思います。
Posted by ブクログ
hs19501112さまに、白誉田と黒誉田についてコメントいただいたときに、白誉田のおススメ作品としてご紹介いただいた作品です。
いつも鞄に入れて持ち歩いていたにも関わらず、なかなか読むことができず(鞄に入れたままにしていたのが間違いでした)ずっと気になっていて、今日ようやく一気読みの機会が。
10代最後の夏を、疾風のごとく駆け抜けたロックな少女のストーリー。
最初は軽い口調と、ロックに関しての熱い思い、音の表現に圧倒されつつ、青春小説かな?と思いながら読んでいたのだけど、バンドメンバーの予想外の死によって、一気に引き込まれていった。
アーティストには「才能」は不可欠であるが、本当に才能がある人にはその自覚はないのかもしれない。そして無自覚故に、才能に限界を感じた人たちを殺めてしまう。
黒誉田の文章から比べれば、圧倒的に白誉田は軽い。軽いけど、深い。深いから、読み終えると考えさせられた。
でも、自覚した主人公が、いろいろなことに気づけて(気づかせてもらえて)よかったと思う。
白誉田作品は初めて読んだけれど、続編もあるということなので、本屋に探しに行ってみようと思っている。
ご紹介いただき、ありがとうございました。