あらすじ
トラウマ級の結末!恐怖のマイホーム奇譚。
引越し後の鍵交換は、お済みです…よね?
中古マンションの購入から全ては始まった。
トラウマ級の結末が待ち受ける、芥川賞作家による恐怖のマイホーム奇譚。
三十七歳にしてマイホーム購入を思い立った小説家の猪瀬藍。気になるマンションへ内見に行くと、そこにはまだ、若い夫婦と幼い姉妹の小林一家が暮らしていた。彼らは十二年間住んだこの部屋を離れ、近くの新築一軒家に引っ越すという。
すっかり気に入った藍は購入を決意。リフォームも完了し、新生活を満喫していたある日、新居に小林姉妹が押しかけてくる。以来、食事やお泊まり会に招かれ、小林家との交流に甘美な幸福を感じる藍。だが、新居では奇妙な出来事が次々と起こり始め……。
日常を侵食していく不安と、衝撃の結末。芥川賞作家によるノンストップ・マイホーム奇譚。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『前の家族』 の文庫版となります。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
たぶん、こうなるんだろうな…みたいな予感がありつつ、いろんな展開を予想しながら読んでしまいました。
まさかの…藍さんはなぜそんなに懐柔されてしまったのか。小林家の一員のように思い始めてしまうところも、かなりホラー。
マンションに小林家がいるだろうな、みたいなラストは予想していましたが、藍さんが帰宅した時に小林家4人でリフォームされていないお風呂に入っている…みたいなラストを予想してまして。
引越しした時は、ろくに掃除もせずに出ていったくせにね。
いやぁ、好き好きは分かれそうですが、私は好きな作品です。
Posted by ブクログ
なかなかイヤミスなホラー小説でした。
37歳にして中古マンションを買おうと思い立つ小説家の女性。マンション内見には、まだ『前の家族』である若い夫婦と幼い姉妹の小林一家が暮らしていた。彼らは長年住んだこのマンションを離れ、近くの新築一軒家に引っ越すという。
購入を決意した主人公は、リフォームを終え、新生活が始まったが…ある日、新居に前の家族が押しかけてきて、以来、食事やお泊まり会に招かれることになる。そして奇妙な出来事が次々と起こり始め、日常が侵食されてゆく…
賃貸マンションに住んでいた際に、前はどんな人が住んでいたのかなんて、考えたことも無かった。不動産屋に聞いたところで、今は教えてもらえないのだろうなあ…替えていたはずの鍵が変わって無かったら…夜な夜な異音がし、玄関の前にゴミが捨てられ…考えただけでも気持ちが悪いなぁ…オカルトではなく、家に執着した家族の異常さが不気味だった。