【感想・ネタバレ】教育ビジネスのレビュー

あらすじ

いま、情報革命をはじめとする社会変化を背景に、生涯学び続けることが大切な時代が始まりました。今後、平均寿命は100歳を超えることが予測されています。それに合わせて、明治維新以来150年ぶりに教育の抜本的な見直しが進んでいます。

AIも出現し、これまでの常識が機能しない時代。
教育には何が求められているのでしょうか?

そして、あらゆる人が生涯学び続ける必要がある時代。
私たち自身、どのように学んでいけばよいのでしょうか?

簡単に答えることが難しい問いですが、大切なのは「変化に適応する」だけではなく、積極的に「未来を構想していく」ことです。テクノロジーの進歩や社会の変化によって、私たちは未来を切り拓く大きな可能性を手にしています。それを生かしていくためには、教養として現代における教育の全体像を知ることが大切です。

そこで、日本最大級の教育イベント創設者・大学特任准教授・学校法人理事など、さまざまな立場や役割で教育に関わる著者が「教育の新常識」を解説します。

・世界で最初の学校はどこで生まれたのか?
・そもそもなぜ教育は必要なのか?
・学校教育の常識を覆す「GIGAスクール構想」とは?
・なぜ教育改革を進めることは難しいのか?
・教員と企業が共創する時代が到来!?
・高校生の約1割が通信制高校生!?
・全米一の進学校はオンラインハイスクール!?
・創造性を高めるアントレプレナーシップ教育とは?
・AI時代のキャリアと人生形成に大切なことは?

など、教育に従事する方にも子育てする方にも役立つ知識と最新情報が満載です。

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Posted by ブクログ

学びは一生もの。
とにかく自分の生き方とか、これからの未来を生きていく子供たちへ伝えていきたいこととかがズドンと書いてあって読み応えある一冊。ぜひいろんな人に読んでほしい。

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2025年08月08日

Posted by ブクログ

教育に関するあらゆる基礎知識が簡単かつい一冊で理解できる本。明治維新からGIGAスクールまで、寺子屋からモンテッソーリまで、法律(文科省の方針)から現場の工夫まで、生徒の親から教育ビジネスに関わる人まで、とにかく多角的かつ客観的に網羅されている。この業界に関わる人なら読んでおくべき一冊なんだろう。この本で学べる知識をベースにして語らないと、説得力もないし、方向性を間違えることにもなりそう。「社会のあり方が変わっているのだから、教育も変わらなければ人を育てられない。」「コンテンツベースから、コンピテンシーベースへ」「社会や学校の課題が複雑化している以上、学校だけでは解決できない」など。「教育ビジネス」という言い方はあまり好きではないが、お金をもらっている以上、ビジネスであることは間違いない。

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2025年06月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

教育業界に携わるものとして、また2児の父として教育を考えるために手にとった。
VUCA時代ともいわれ、これまでの常識が通用しづらい中、教育をどのように実施するか、受けるか興味深く読んだ。

本書は学校教育を中心に、放課後スクールや塾業界、またそれらと密接にかかわる受験教育、STEAM教育、オンライン教育がテーマとして語られている。
その中でも可処分時間の取り合い、マイクロラーニングの需要拡大は確かにと思える分であった。

小学校1~3年、中学校、高校と全く楽しくなかったか生活を送ってきた自分にとって、今は選択肢がたくさんある良い時代だなと感じる。
ただ選択肢が多いからこそ、自分自身の価値観や目標のもと、主体的に行動する必要があるのだと思う。

また、自分自身現在教育業界(広い意味で)で仕事をしているのだが、なぜモヤモヤするのかが少し見えた気がする(本書の趣旨とは少しズレるかもだが)。
自分は自分と同世代や、それより下の世代の教育に携わりたいのだと。

子育てしているのでおいそれと転職に踏み切るのは難しい面もあるが、自分のキャリアは自分で切り開くべく、転職して自分のやりたいこと、実現したいことを達成したいと思った。

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

## 引用と感想

### エドテック市場規模は拡大していく

> 実際に世界のEdTech市場規模は2019年の17兆円から2025年には38兆円に達し、国内では2000億円から3200億円に増加するという試算が出ています。ちなみにEdTechとはEducationTechnologyを掛け合わせた言葉で、その名の通り、テクノロジーを用いて教育活動を向上させる製品やサービスを指します。(p39)

教員が忙しすぎる。残業は多く、人手不足だ。テクノロジー導入で解決できる部分は大きいだろうが、その手間すら出にくい感じかもしれない。

### ステークホルダーが多すぎて改革が難しい

> このように見ていくと、公教育が首長、議会、教育委員会やPTAなど多様なステークホルダーに囲まれ、複雑な行政の仕組みに支えられて存在していることがよくわかるのではないでしょうか。このような構造になっているため、公教育を変えることは途方もない作業であり、エネルギーと時間がかかるのです。
さらに「指導助言行政」という教育行政の性質によって、教育行政がトップダウン的に強力な改革を進めることが難しくなっています。そのため、新しい公教育を創造するためには、教育行政と学校現場、そしてさまざまなステークホルダーが連携しながら努力していく必要があります。だからこそ、簡単には教育改革が進まないのです。(p53)

何となく古い体制なのかなというイメージがあり改革が難しいのかと思っていた。
それもあるが、ステークホルダーが多い、つまりしがらみが多いのが課題なのだろう。

### ティーチングからコーチングに

> そこで教員に求められる役割は、新しいものを生み出す場としての学校、知識伝達にとどまらない創造の場をプロデュースすることではないでしょうか。(p55)

圧倒的に情報を誰でも簡単に得られる今、昔のような「教員が教え、生徒が教えられる」という一方通行の権力的な関係ではなく、情報をどのようにして活用して知恵を創造するかが大事とのこと。
たしかにそうだ。
むしろ、多すぎる情報に踊らされて道を踏み外さないことを教える必要があるくらいだと思う。

### 企業と共創する

> 学校やそれを取り巻く環境では、「神山まるごと高等専門学校」という私立高等専門学校をIT企業の創業者が徳島県に創立する事例や、フリースクールを大手鉄道会社やIT企業が設立・運営する新たな事例も現れています。企業が蓄積してきた知見を教育に活かす取り組みが始まっているのです。
このような流れのなかで、企業の論理を学んだ教員や多様な経験により複眼的な視点で物事を考えられる教員が企業と学校の通訳となり、さまざまな豊かで独自性の高い教育活動が展開されることになるでしょう。(p68)

民間企業だからこそできることがある。
学校も多様な視点を持つことは大切で、専門外の知見を持った人は必要とされるかもしれない。

### コンピテンシー

> VUCAと呼ばれる予測困難な時代では、ベルトコンベヤーに乗っているかのように受け身でキャリアや人生を形成することは困難です。だからこそ、自らのスキルや能力を活かして社会に貢献し、実績を残していくという実質的なものが求められる時代になったと言えるでしょう。キャリア形成が受動から能動へと変化しているのです。
そのため、学校教育では、コンテンツベースの学びからコンピテンシーベースの学びへの転換が叫ばれています。コンピテンシーとは、どんな知識や技能を持っているかという「習得」に加えて、どのようにそれらを用いるかについて考える「思考」、そして実際に用いる「行動」を含む概念です。(p83)

昔は詰め込み型の教育が社会生活に役立つ時代だったが、今は違う。
ただ覚えたことを正確に出力するだけではなく、知識を詰め込むだけでなく、何を学び、どう活かすかまで学ぶことが大切。
「探究学習」というのがキーワードとしてあるらしい。
考えることをしっかり学ぶこと。
自分の頭で考えることは、意外と教わらないものだ。

### 非認知的スキル

> 日本の子どもは学力が高いのに意欲や自倍がない、つまり総じて非認知的スキルに課題があるというのは一見矛盾した状況だと言えます。
この状況に対しては、文部科学省は第3章の第3節で解説した現行の学習指導要領にある「主体的・対話的で深い学び」による授業改善など、現行の学習指導要領を推進することが、前述の課題に対する適切な対処であるとしています。
もちろん学校教育の努力も必要ですが、主体的に学ぶ意欲や態度・自僧などの育成を学校教育だけに任せることは難しいのではないかと私は考えています。(p109)

「教育は学校がやるもの」と思い込むのではいけない。
学校以外でも教えられることはたくさんあるし、そうしたものが人生には必要だ。
とても共感できる。
自分から意欲を持って学びたいと思うものに出会うことは、幸せなことだ。

### 生涯学習

> 「生学習」とは、人生の各ステージにおける課題やニーズに応じて、自分の成長や生活の質の向上を目指し、自ら主体的に取り組む自由で多様な学び全般を指す営みです。これは、学校や社会で計画的・組織的におこなわれる学習活動だけでなく、スポーツや文化、趣味、レクリエーション、ボランティアといった幅広い分野にわたる活動を含みます。
福澤論吉は名著「学問のすすめ」で飯を炊き、風呂を沸かすのも学問だと主張しました。
まさに人生には形式的な学習だけではなく、非形式的な学習があふれているということです。ここには学習という概念の拡張があります。(p154)

学校の机で習うこと以外の学びを大切に。
休みの日に友だちと遊んだり、山に登ったり、キャンプをしたりするのも学習。

### 変わりゆく時代の中、大人こそ学びが必要

> この2つはどちらかというと積み上げ型の学びと言えますが、今日のような変化の時代では積み上げるだけではなく、積み下ろす作業も加えながら新たな学びによって自分を再構築して更新するプロセスも重要ではないでしょうか。
この積み下ろすという営みが「アンラーニング(学びほぐし)」です。アンラーニングとは、いままで自分が暗黙の前提としていた常識や行動・思考パターンに気づき、客観視しながらそれを改めていくというプロセスのことです。(p203)

積み下ろすという考え方が新鮮だった。
私は本が好きだが、それは新しいことを知るのもあるが、一方で「今いる土地を深掘りする」ような感覚になる読書もある。
例えば日本各地の民藝の本などが好きだ。
今いる場所についてより深く知り、考え、そうすると新たなことに気が付いたり、思い浮かんだりする。

### 私教育

> 一方、私教育は、自己実現を支援し、社会や文化の新たな創造を促す教育として、教育の変革的な役割を担っています。この観点から、社会や時代を超えた先進的な教育は、私教育のなかで実現される可能性が高いと言えるでしょう。
情報革命によって新たな時代を生きている私たちの社会においては、このような私教育の役割がますます重要視されており、今後の社会の変化に対応した教育のあり方として期待されています。(p258)

この本を通底して、『私教育』の大切さが説かれている。
公教育ももちろん大切で、変わりつつある。
しかし大切なのは、自ら学んで人生を切り開いていく資質。
それを養うには、学校以外の場所での学びが重要になるのかもしれない。

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

教育を取り巻くさまざまな動向がある中で、学校教育をどのようにとらえ直すか。期待しすぎているものは何か。何が変わっていく必要があるか。バランス感覚が良く、ぐいぐい読めた。

> 社会教育の大きな特徴は、「自発性」だと言えます。私は、自発性が私教育との接続点になると考えます。あくまで「公教育」は多様な教育活動のなかから「私教育」を除いたものにすぎません。人類史を振り返れば「私教育」のほうが長い歴史を持ち、また多様におこなわれてきました。

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2025年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これからの勉強→様々な経験で見聞を広める(探究)、独立して仕事、様々なことを並行でこなすこと。ナラティブ形成能力+知行同一が重要。探究学習が中心となる。

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2025年08月16日

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