あらすじ
世界で今も戦争が続くなか,日本でも有事の可能性が盛んに論じられている.もし日本が武力攻撃を受けた場合,平穏な日常はどうなるのか.緊急事態に国は私たちを守ってくれるのだろうか.命と暮らしを取り巻く法制度と,戦争がもたらしてきた被害をリアリズムに即して描き出し,今を生きる私たちの現実認識を鋭く問い直す.
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
近代国家という実態を伴わない戦争装置を守るために軍隊があり、戦争がある。加えて国民として理念や人権意識を持たず、お上が決めることへの無関心を貫き、同調圧力ばかり強い日本では、必ず過ちが繰り返される。国は民であることを叫ばなければならない。
Posted by ブクログ
ちょうど終戦の日に読み終わりました。なにか感慨深いです。
もしも戦争になったら私たちの暮らしはどうなるのか、災害時のときに適用される法律と戦争のときに適用される法律を比べながら教えてくれます。
過去の戦争時に日本軍や外国の軍隊がどのような行為をしたのか、豊富な事例が紹介されています。
この本を読んで一番ためになったのは、軍隊は国をまもるものですが、その国というのは国で平和に暮している一般の人間のことではなくて、政府や裁判所などの国の制度、国体をまもるんだ、ということでした。
なので、さきの大戦では、沖縄の市民を本土防衛の為の捨て石にしたり、満州では、ソ連が攻め込んでくる前に政府や軍人関係者は一般市民に知られないようにこっそりと先に避難したりしました。
このようなことが二度と起こらないように願っています。
Posted by ブクログ
戦争に関わる国際法から日本の国内法に至るまでを取り上げ、外国とも比較しつつ解説した書籍。また有事の際における具体的な例を挙げており、理解がしやすい内容になっている。日本特有の権力に対する警戒心のなさを取り上げた章が特に興味深かった。
おわりにの部分だけ納得できなかった。台湾有事において、日本は中華人民共和国に対し一つの中国政策にを認めて、火の粉が日本にかからないようにする事が大切らしい。台湾が侵攻され住民が虐殺されようが日本は知らんぷりするのが吉であると言っているようにしか思えない。確かに日本が戦争に巻き込まれないようにするだけなら、このような外交をとれば良いのだが、隣の火種を見て見ぬふりをするのは国際社会においてどのような目で見られるのかは明らかである。
日本がこのような手段をとってしまうと、日本が有事に巻き込まれた際に助けてくれる国は現れるのか?甚だ疑問である。平和憲法のある日本だからと言って、侵略行為やそれに準じた政策には強い意志を持って対抗していかなければならないと感じる。