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世界で今も戦争が続くなか,日本でも有事の可能性が盛んに論じられている.もし日本が武力攻撃を受けた場合,平穏な日常はどうなるのか.緊急事態に国は私たちを守ってくれるのだろうか.命と暮らしを取り巻く法制度と,戦争がもたらしてきた被害をリアリズムに即して描き出し,今を生きる私たちの現実認識を鋭く問い直す.
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Posted by ブクログ
オーディブル「戦争と法 命と暮らしは守られるのか」永井幸寿 著(岩波新書)視聴。2025年刊の本書は現在の日本政治の混迷を予言している。旧憲法、他国の憲法や法令と比較し、様々な事例をもって有事に国は国民を守らないことを解き明かす必読書。
近代国家という実態を伴わない戦争装置を守るために軍隊があり、戦争がある。加えて国民として理念や人権意識を持たず、お上が決めることへの無関心を貫き、同調圧力ばかり強い日本では、必ず過ちが繰り返される。国は民であることを叫ばなければならない。
ちょうど終戦の日に読み終わりました。なにか感慨深いです。 もしも戦争になったら私たちの暮らしはどうなるのか、災害時のときに適用される法律と戦争のときに適用される法律を比べながら教えてくれます。 過去の戦争時に日本軍や外国の軍隊がどのような行為をしたのか、豊富な事例が紹介されています。 この本を読んで...続きを読む一番ためになったのは、軍隊は国をまもるものですが、その国というのは国で平和に暮している一般の人間のことではなくて、政府や裁判所などの国の制度、国体をまもるんだ、ということでした。 なので、さきの大戦では、沖縄の市民を本土防衛の為の捨て石にしたり、満州では、ソ連が攻め込んでくる前に政府や軍人関係者は一般市民に知られないようにこっそりと先に避難したりしました。 このようなことが二度と起こらないように願っています。
著者は1955年生まれの弁護士。日弁連で災害復興支援委員会委員長などをつとめた経歴がある。いわゆる「有事法制」が災害復旧・補償の枠組みとの比較を通じて説明されており、イメージがつかみやすかった。 日本国家がアジア太平洋戦争時の市民・住民の被害に対する責任を一貫して「受忍論」の名目で否認し、補償...続きを読むを拒んできた以上、来るべき「武力攻撃事態」でも同様の対応が取られるはずだし、東京電力福島第一原発事故で東電と国の責任を否定した最高裁判決が確定した以上、「武力攻撃」による原発事故についても国の責任は間違いなく否定されるはずだ、という議論はまさにその通りだろう。過去の出来事をどう総括するかが未来の出来事に対する対応を規定する。よって、「いま・ここ」の法的・政治的判断がおろそかにされると、必ず将来に禍根を残すことになる。考えさせられたのは、予測される「次の戦争」での住民被害を想定する際に、過去の広島・長崎・沖縄・満洲での被害者たちの証言や記録が参照されたこと。2011年以後、『黒い雨』が低線量被曝にかんする記録として読み返されてしまったように、「記録すること」は、未来に向けた事例として(再)発見される回路を作り置くことになる。——当たり前といえば当たり前なのだが、そのようなことを深く実感させられた。
戦争に関わる国際法から日本の国内法に至るまでを取り上げ、外国とも比較しつつ解説した書籍。また有事の際における具体的な例を挙げており、理解がしやすい内容になっている。日本特有の権力に対する警戒心のなさを取り上げた章が特に興味深かった。 おわりにの部分だけ納得できなかった。台湾有事において、日本は中華人...続きを読む民共和国に対し一つの中国政策にを認めて、火の粉が日本にかからないようにする事が大切らしい。台湾が侵攻され住民が虐殺されようが日本は知らんぷりするのが吉であると言っているようにしか思えない。確かに日本が戦争に巻き込まれないようにするだけなら、このような外交をとれば良いのだが、隣の火種を見て見ぬふりをするのは国際社会においてどのような目で見られるのかは明らかである。 日本がこのような手段をとってしまうと、日本が有事に巻き込まれた際に助けてくれる国は現れるのか?甚だ疑問である。平和憲法のある日本だからと言って、侵略行為やそれに準じた政策には強い意志を持って対抗していかなければならないと感じる。
戦争に関連する法律としては戦時国際法がすぐに思いつく。戦時状態にあっても守るべきルールの様なものだが、戦時に限らず、あらゆる軍事組織に対して適用される国際法となっている。よく知られたものとしては、ハーグ陸戦の法規慣例に関する条約、ジュネーヴ条約などが有名である。一方で本書が題材にするのは、戦争の中で...続きを読むも戦い方のルールに関するものではなく、戦時下における国家権力のあり方についてである。世界中で今なお戦争が行われている。イスラエルのガザへの侵攻やアメリカとイラクの衝突、何より近年はロシアによるウクライナ侵攻など、民主的な政治体制が確立され、外交努力などで回避できそうな国家間であっても戦争が起こることが証明された。日本近隣で言えば、台湾有事が現実的なものに感じられるかもしれない。 こうした戦争が起これば、当然国対国の存亡をかけた戦闘が各所で起こるはずである。一方が核保有国であれば、尚更国の存亡の危機が目の前にある事になる。こうなると、一度戦争が発生すれば、当然に国の存続のために国民の権利が抑制される事になる。太平洋戦争の最中にあった日本では、国民が安全で自らが望んだ生活をする権利は徴兵によって崩れ去った。国家に危険をもたらすとされる思想や言論は徹底的に弾圧され、罪の無い人々が次々と牢に入れられ、十分な調査も行われずに有罪となる。今ならあり得ないが、拷問などの暴力による責めは当たり前に行われる。 確かに国家が総力で他国の攻撃から自国を守る事は必要だが、それを悪用すれば、人間として当然の権利が侵害されるリスクを負うことも忘れてはならない。 本書はアメリカやヨーロッパ各国、様々な国の戦時における緊急法のあり方を例に挙げ、その成り立ちの背景などをわかりやすく伝える。そして同様に日本にはそれが存在しない事について考えを述べている。 戦争という機器的状況に於いて、国民はどう振る舞うか。それは永く平和を享受してきた国民一人一人が、将来にわたってこの平和と安全を維持するために、考えなければならない。決して他人任せではならないし、平和や安全が努力なしに成り立たない事を教えてくれる一冊だ。
日本人は「国が守ってくれる」と信じがちだが、実際には国が国民を守る保障はなく、戦争時の被害想定すら示されていない。集団避難の危険性についても十分に知られていないのが現状である。だからこそ日本は、軍事に偏らず、外交・情報・経済を駆使して他国に安心を与え、戦争を回避する努力を優先すべきだとある。特に対中...続きを読む国では、「一つの中国政策」を尊重することが中国への安心供与となり、緊張緩和につながる。台湾寄りになりすぎない。また、アメリカの対中姿勢は日本の安全保障に直結するため、その動向を注意深く見極める必要がある。
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