あらすじ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
神様が引っぱってきた土地、人が変身した岩、火山を噴火させた鬼、地震を起こすナマズ…。荒唐無稽なファンタジーに思われても、当時の人々なりの考え方や信仰心に基づいて作られ伝えられてきた伝承は、現代の科学ではどのように説明される(しうる)のか。日本各地に残る大地にまつわる神話や伝説を地質学の観点で考察し、地球科学のおもしろさと、神話・伝承をつくりだした人々の想像力の豊かさを味わう、文化×地質学の入門書!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
神話や伝承を、地質学者が読み解く。
「地球神話学」という分野があるそうだ。
私は本書で初めて知った。
アメリカの地質学者、ヴィアリアーノの提唱。
伝説や神話には、地質学的な自然現象を表現したものがあるという考え方のようだ。
それとジオパーク構想(ユネスコ世界ジオパークと、日本ジオパークの二種類がある!)にも、人間の活動を含めて評価しようという動きがあるそうで、自然科学と人文科学をつなぐような領域が活発になっているようだ。
各論として取り上げられるのは、こんなところ。
・アイヌの伝承
・磐梯山「宝の山」伝説
・関東の地震と大鯰伝説
・妙義山の星穴伝説
・浅間山の鬼
・大国主、奴奈川姫伝説と糸魚川
・記紀神話の熊野伝説
・豊岡盆地とアメノヒボコ伝説
・ヤマタノオロチは火山伝説なのか
・国引き神話と島根半島
・阿蘇のカルデラ形成と地域の伝承
自分としては、国引き神話と古代の環日本海ネットワークを重ねて考えられるという話が面白かった。
各章はそれぞれの土地の景観の写真、地図、歴史的な資料などふんだんに出てくる。
地学の知識が若干あやしい自分のような読者のために、図解や巻末用語集なども整備されている。
(火山岩=玄武岩・安山岩・流紋岩、深成岩=斑糲岩・閃緑岩・花崗岩、なんて話を思わず復習してしまった。)
子どものころ、寝覚ノ床だの秋芳洞(本書では取り上げられていない)に連れていかれてもまったく関心が持てなかったけれど、今考えればもったいないことだったんだなあ、と反省する。