【感想・ネタバレ】いっそあの方が死んで下すったならのレビュー

あらすじ

少女小説の黎明期に、『少女画報』を舞台に数々の傑作を残した作家――伊澤みゆき。

その名と作品は長らく埋もれていたが、伊澤の作品が少女小説に与えた影響は大きく、吉屋信子は、「みんなが伊澤みゆきの作品がいいと思うように、自分の作品もそう思われたい」と語り、後に代表作となる『花物語』の第一編を『少女画報』に投稿したという。今あらためて、その文学的価値と独自の世界観が見直されている。

伊澤の作品には、甘く優しいだけではない、どこか影を帯びた「闇のオーラ」を放つ友愛小説が多く見られる。嫉妬や執着、ルッキズム――少女たちの内面に潜む痛みや陰りが、丁寧に、そして烈しく描かれ、百年前の少女たちの叫びは、今もなお私たちの心に鮮烈な衝撃をもたらす。

本書は、伊澤みゆき初の作品集であり、『少女画報』に掲載された全60篇を収録。テーマごとに5章に分け、彼女の多彩な作風を存分に味わえる構成とした。また、女性研究者たちによる詳細な解説も収録し、文学史的な視点からも伊澤の作品を掘り下げる一冊となっている。

装幀:アルビレオ
装画:Ashley YK Yeo

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

100年前の昔の文章だけれどもとても美しく繊細な書き方。流れるような表現にうっとり。
作者の伊澤みゆきさん自身は才女であると同時に、とんでもなくお金持ちのお嬢様。
少女画報に連載されていた人気の小説だったらしく。
当時そんな雑誌を読んでキュンキュンできるのは、同じようにお金持ちの子女だけだったんでしょう。
本当に優れた小説、才能だと思うけれど途中から私とは違う世界過ぎて笑 気になって話に集中するのに難儀してしまった

0
2025年07月09日

「小説」ランキング