あらすじ
旧約聖書とはいかなる書物なのか。古代ユダヤの人びとはそこに何を読み込み、何を託してきたのか。本書は、半世紀にわたって旧約聖書と取り組み、古代オリエント学者としても豊かな学識をあわせもつ著者が、複雑で多層的な性格をもつ旧約聖書をさまざまな角度から読み解いていく珠玉の講演集である。文庫化にあたっては、定評ある旧版に、物語構造論の観点から聖書を分析する「旧約聖書における物語文学の構造と主題」など、5本の講演を大幅増補。その言葉は今を生きる私たちに何を投げかけるのか。旧約聖書の魅力を、第一人者が余すところなく語りつくす。
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Posted by ブクログ
旧約聖書学者月本氏の講演集。講演ということもあってか、平明でやさしい文章で読みやすい。愛、苦難、友情、歴史館などのテーマごとに聖書の内容を紹介する感じ。文学としてふんわり聖書を読んでいくのかと思ったが、そこはさすがに考古学や旧約学などの学術研究を参照した部分も織り交ぜてしかもわかりやすく語っていて面白かった。聖書一辺倒ではなくレヴィ=ストロースや丸山眞男、キケローやホメロス、ギルガメシュ叙事詩なども引用しており、特にギルガメシュ叙事詩は簡潔にまとめてあっていい復習になったと思う。というか、聖書学者でありながら「ギルガメシュ叙事詩」を訳していらっしゃったとは!旧約やるだけでも大変だろうに、楔形文字も専門だというのはすごい才能である。おそるべし。