あらすじ
迷っても立ち止まっても大丈夫。心にじっと耳をすませ続ければ、いつか自分の本当の気持ちは聞こえてくる。 【あらすじ】小学校6年生の小晴(こはれ)は、自分の本音がわからず、人付き合いも苦手。ある日小晴が部屋の掃除をしていると、一枚の紙を見つける。その紙――消えかけた手書きの地図のようなものを開いた途端、小晴はいつのまにか外にいた。そこで出会った男の子・ラッタッタは、ここは「ふしぎの街」であること、1人で地図を開いて目をつぶって深呼吸をすると、この街に来れること、そしてラッタッタ自身はこの街の管理人だということを教えてくれる。他に動物も人もいない、2人きりの街で一緒に遊ぶうちに、ラッタッタに心を開く小晴だが、「大人になるため」には、ラッタッタとさよならしなくてはいけなくて。 【目次】1 〈ふしぎの街〉の地図/2 春休みのこと/3 木山鈴さん/4 修学旅行/5 野田ゆうたくん/6 算数のノート/7 悲しいこと/8 0点/9 さよならの予感/10 さよなら、ラッタッタ/11 鈴ちゃんの家/12 仲直り/13 イマジナリーフレンド/14 またね、ラッタッタ/15 これから
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Posted by ブクログ
小晴(こはれ)は小6。近くにある難しい私立中の受験のために塾に通っている。成績は良く、模試は常にA判定。満点の教科も多い。それ以外の日も英会話、水泳、ピアノと、習い事に忙しい。でも、自分の気持ちを表現することはおろか、気持ちを汲み上げることすら苦手。友だちは話が合わないし、携帯も持っていないので、いない。でも、この前たまたま見つけたクッキー缶に入っていたふしぎの街の地図で、本当にふしぎの街に行けて、そこには管理人を名乗るラッタッタだけがいた。ラッタッタには少し素直に気持ちを話せる。
これは、イマジナリーフレンドと自己表現の発現を組み合わせたふしぎで優しいお話。
ふしぎの街に行く過程で、なんでそんなことおこるのって波に乗れないかと思いきや、小晴のあまりの自分迷子の様子、そして、現世で超優等生ないいこっていうのにつられて、するりと読めました。小6で話が終わるのですが、ラッタッタと今後どうなっていくかという収束も良かったです。
ルビは4年から。191ページあるので、高学年以上向け。
Posted by ブクログ
鯨井あめさんの新作は、小学6年生の女の子・小晴(こはれ)が主人公のYA作品だった。還暦目前のおっさんが読むのはどうかと思うが、あめさんのファンなので仕方がない。
小晴は〈ふしぎの街〉の地図を持っている。それは〈ふしぎの街〉のカギで、一人きりで目を閉じて深呼吸すると行くことができる。そこには管理人の少年・ラッタッタがいて、小晴は彼と遊んだり、話を聴いてもらったりしている。中学受験を控えた小晴には様々な悩みがあり、彼と過ごすことで気持ちが落ち着くのだ。
あめさんならではの不思議世界が構築されていて楽しく読めた。