あらすじ
「クールジャパン」「観光立国」を始めとする国家的文化政策を筆頭に、書籍・雑誌・ムックからテレビ・ラジオ番組、人材育成セミナーなど、さまざまな媒体を介して社会的に広がっていった「日本スゴイ」コンテンツは、どんな機能をはたしているのか――具体的なエピソードの中から読み解く。
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Posted by ブクログ
日本スゴイ系のテレビ番組から話が始まり、それらが自民党政治の方針と連動していることを示す。そこから右派系団体の紡ぐ偽史、歴史ファンタジーに話が移り、教育勅語に着地して終了する。
大変に読みやすい歴史修正主義への警鐘本と考えて差し支えない。
Posted by ブクログ
日本の優れたものを世界に売り出そうとするクールジャパン構想はまあよいとして、
自己満足のニッポン凄いのテレビ番組が増えたのは2012年。
第二次安倍政権が始まる手前か。正直そんな番組は見たことない。
まあ、まだこれもかわいいうち。
ただ、これらが扇動?して、
変なナショナリズム、国を愛する、そして反日、
という意識が広がったことは看過できない。
自分の住む国を愛していないものなどいない。
過去、日本が犯してきた歴史に向き合うことは大切なこと。
人は過去からしか学べないからだ。
それを、自称愛国者は、日本人がそんなことをするはずがない、
そういう負の歴史を言うやつらは非国民だ、半日だ、
と叫ぶ。特に政治家がそれを言う。
その先頭に立ったのがくだんの首相なわけだ。
そしてさらに先の参院選ではそれしか言わない政党が躍進する。
事実に目を背け、愛国という名を隠れ蓑に、自分を正当化する。
何という反知性主義、無教養。
こういう輩が戦争を起こす。
彼らが引用したがる教育勅語も歴史文書もご都合主義ばかり。
「日本というおかあさん」の話は知らなかったけれど、
彼らの頼るものはイカサマ。
そういう連中を右翼と言ってはいけない。
本当の右翼が起こる。
右翼左翼と名乗るにはもっと勉強しなきゃ。
そう、今、学んでいない人が多すぎる、ってことだ。
通勤電車でゲームばかりしてないで、もっと本を読めよ、
と思う。
第一章 しぶとく生き延びる「日本スゴイ」
第二章 「日本スゴイ」テレビ番組のしくみ
第三章 「クールジャパン」で再定義される「日本人」
第四章 道徳教科書に入り込む「日本スゴイ」
第五章 「日本人」のつくりかた
第六章 「日本というお母さん」伝説
第七章 「教育勅語」を愛する人びと
Posted by ブクログ
ちょうど友人とこの話題について話していたところこんな本を見つけたので買ってみた。
過剰なまでの日本贔屓には歴史や政治、出鱈目、トンデモ理論を「日本人の〜、日本の文化の〜」といったフレーズでまとめてしまう背景があったんだなあと。
論理的思考が欠落してる上に論理の飛躍が「日本スゴイ」という社会心理を生み出している
Posted by ブクログ
ビジネスとして推し進めるクールジャパンについてなどはオフィシャルな概説に近く無味乾燥な感もあるが、コンテンツとし跋扈していた日本スゴイイデオロギーについてや、歴史や政治的な背景への分析などは、論点の整理として悪くなかった。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 しぶとく生き延びる「日本スゴイ」
第2章 「日本スゴイ」テレビ番組のしくみ
第3章 「クールジャパン」で再定義される「日本人」
第4章 道徳教科書に入り込む「日本スゴイ」
第5章 「日本人」のつくりかた
第6章 「日本というお母さん」伝説
<内容>
右翼系の文化系発言をぶった切る本。ちょっと斬りすぎていて気持ち悪くなったが…。まあ、彼らの発言の根拠がないに等しいことを丁寧にコンテンツを探して、指摘しています。これがあちらには響かないんだよね、なぜか…。根拠はいらないだろうね。だからこうした本もすれ違いに終るわけだ。まあ「日本好き」と「日本スゴイ」はちょっと違うんだけどね…